サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第2章『それって、しあわせ?』
将来の『夢』が あれば、本当に しあわせ?


■ 将来の『夢』が あれば、
本当に しあわせ?(1/5)


『「将来の夢」は、
人間だけが持てる
特殊な能力・特権』


執筆日 2015年頃   最終更新日 2024年 03月27日





昨夜は 私…

夢の中で 故郷の「妻」
再会しました。




故郷を離れてから
まだ1ヶ月ほどしか
経っていないのに、

早くも 私、
「ホームシック」
といった所でしょうか…





皆で、朝食のテーブルを
囲んでいるとき、

ミューラー
ちょっと苦笑しながら、
そんなことを言いました。



でも、その苦笑には、

夢の中とはいえ
愛する家族 に会えたことへの、
ほのかな うれしさ
にじんでおりましたが…







「夢」

そうだ!

そういえば、まだ
『夢』についての話し合いを
してなかったよね?




寝てるときに見る
やつじゃなくて、

『将来について』
のほうの「夢」の話を!




ふき の 顔が
パッと輝きました。


が、それ以上に輝いたのは、
ミューラー の 表情でした。




『将来の 夢』
ですね!?

ぜひ お話を
お聞かせください!




人間さんたちは、

「ご自分たちの
長期的な将来を想定して
目標を立てる行為」
を、

『夢』と 呼んで
いらっしゃるのだとか…




お恥ずかしながら、
私たちのような
「人間さん以外の動物」は、

目先の1日1日を
生きのびるのが 精一杯
で、

『将来』という概念すら
持つ余裕が ありません…




『夢』は、

進化した「大脳新皮質」
を 持ち、

目標を実現するための
力となる「社会」

構築できている、
人間さんたち だけに
許された…




本当に素晴らしい
『能力・特権』の 1つ

と 言っても、

過言ではないでしょう!





ミューラー の 感嘆に、
ふき が ニヒルに
ほほえみました。




はっはっは、

いやいや、
それほどでもないですよ…

我々 人類など、
まだまだ
ちっぽけなものです。





そんなふうに
図々しく謙遜(?)する
ふき を見て、

ネックミューラー
デジャブ のようなものを
感じました。

  




そういえば ふき

あんた この前、
自分の将来の 夢
について 話してたよね?




あたし、
どうでも よかったから
聞き流してたんだけど…

あれ、もう1回
話して聞かせなさいよ?





どうでも よかったんかい…





ふき は ちょっと
イラリ としましたが、


「夢」を 語る という行為は、
何度やっても楽しいもの ですし、

ミューラー に 話すのは、
もちろん 今回が初めて です。



そこで ふき は、
コホンと セキばらいをし、

トンビ と 白猫 のほうに
向き直りました。



  




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取りあえず、
今のオレの夢は、

『ゲームプランナー』
(企画者)として、
30歳ぐらいまでに
ドーン!と 大きな実績を
上げること
かな?




具体的には、
「家庭用ゲーム機」で
最低 100万本ぐらい売れる

とか、

「スマホ」で
累計 1000万回ぐらい
ダウンロードされる

とか…




ま、そんなゲームを
作る感じだね。




コンピューターゲームの
歴史に 名を残す…


そんな作品を
作ってみたいもんだねぇ。





ここで ふき は、

そばに置いてあったジュースを
ゴクゴク飲み、

あらためて ネックたちに
向きなおりました。




で、30歳なかばぐらい
までには、
自分の会社を作って

『独立』かな?




その後は、
自分のゲーム会社で
バンバン稼いで、

45歳か、遅くても 50歳
ぐらいには
『引退』して…




あとは、

それまで稼いだ金で、
死ぬまで 悠々自適に
暮らせればなぁ、

ぐらいに考えてるよ。





これが、今のところの、
オレの『夢』

『人生設計』
というやつさ!





語りながら興奮してきて、
「くふ、くふふ…」
含み笑いする ふき を、

ネック が、
「知らんがな」という顔で
見つめています。






そんなこんなで、

ふき が 夢を語り終えて、
満足の ためいき をもらすと…


ミューラー も また、
深々と 感嘆の ためいき
もらしたのでした。




う〜む…
素晴らしいです。

今後 20数年間にもわたる
長期の夢

「人生の目標」が、
そこまで 固まっておいでとは…




鳥とはいえ、私も
「男」だからでしょうか?


ふきくん の 夢を
聞いているうちに、
なにか こう、
体の中の血が
燃えたぎってくるような
感覚
が ありますね…!




めずらしく 熱く興奮し、
体温が3度ほど
上がってしまっている

トンビ紳士を、

ネック が、
「知らんがな」という顔で
見つめています。






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ふきミューラー鼻息
ようやく おさまってきた頃を
見計らって…


ネックふき に、
こんな質問 を投げかけました。




で、
あんたの その、

何万本だか 売れたり、
何万回だか ダウンなんとか
されるゲーム
って、

どこらへんまで
出来てるの?




あー、いやいや。

ゲームに詳しくない
ネックさん
だから、

そんなふうに
勘違い しちゃうのも
仕方ないとは 思うんだけど…




昔なら いざしらず、

今の ゲーム制作って、
「1人では まず形にすることが
できない」
んだよね。




ゲーム中の は、
「グラフィッカー」が…

BGM や 効果音 は、
「サウンド クリエイター」が…

ゲームの骨格になる プログラム は、
言うまでもなく「プログラマー」が、

それぞれ 担当して
作っていく
ものなんだよ。





ふき は、
ネック が太刀打ちできない
フィールドの話に入ったので、

大喜び で
知識をひけらかしました。




そんな ふき の 態度に
激怒するかと思いきや、

ネック は 意外にも、
その点はスルーして、


さらに こんなことを
質問したのでした。




ふ〜ん、
なるほどねぇ。

で、あんたは
どこを作んのよ?




プランナー(企画)は、

『ゲーム全体の構想』や、
『ゲームシステムなどの
アイディア面』

主に担当するのさ。




だから 今は、
日々、ヒマを見つけては、

ゲームの様々な
『アイディア出し』
がんばっている所だよ。




いつか
「オレの作ったゲーム」
遊んだ人たちが、

その内容に驚く顔が、
目に見えるようだね〜〜





ふきの 脳内には、
今 実際に その光景が
見えている
ようで、

中空を見つめた その顔は、
トロ〜ンと
ゆるみまくるのでした。







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ミューラー
ふき の話を聞きながら、

何度も「うんうん」
うなずきました。




なんだか、

聞いているだけでは
もったいないような
お話
ですね…




どうでしょう、
ふきくん?

「今 できている範囲」
で 構いませんので、

その ゲームアイディアを、
私どもにも
見せていただけない
ものでしょうか?




え…!?





話の流れとしては、
ごく当然のものだったのですが、

なぜか ここで、
ふき が 固まってしまった
のです。



その姿に、
ミューラーは 首をかしげ、





ネックも 当初は
怪訝な顔をしていましたが、

すぐに 察して、
「はは〜ん」という
顔つきに なりました。



  



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