■『お金』を、
生存本能で考える(2/2)

『金銭殺人で軽視されるのは、
「誰の」命?』





「お金」目当ての殺人
が 起こるのは、

少なくとも
犯人にとっては
『お金 > 命(DNA)』
って事なんでしょうね。


そこんとこは
たしかに、
ふき の 言う通り だよ?





でもね。

よーく 考えてごらん?

この場合の「命」ってのは、
『誰の』命 のことなの?






…あ!


  




ふきかみね の顔が
同時に白くなり、

ミューラー が、
うんうん と うなずきました。





そうなのです。

ふきくん の 指摘
一見すると するどいように
見えますが、

実は、
「比較するべき対象が
間違っている」

んですよね。





「お金目的の殺人」
というものは、

『お金 > 他人の命(DNA)』
という構図で発生する
ものであって、

『お金 > 自分の命(DNA)』
ではない
のです。





ミューラー
何度も言ってきたっしょ?

『 DNA の 目的は、
「自分の」生存確率を
向上させることだ』
って…





だから あんたも、

「自分が生きることだけが
生物の本目的だなんて、
人間は そこまで
愚かじゃないよ!」


とか 怒ってたんじゃ
なかったっけ?


記憶力、どこに
落っことしてきたのよ?






そうでした…





自分たちを
「DNA の 奴隷」のように
思いたくない気持ちから、

ふき は、とんでもない
オウンゴール
決めてしまったようです。




そんな ふき
褒めちぎってしまった
かみね も、

自分のミスに気付いて、

そろそろ〜 と、
ふき の 手から
自分の前足をはなすのでした。










というか さ…



ネック が、

ウンザリした表情で
続けます。




『お金を持っているから、
自分の人生は しあわせ!』って
最初に言い出したのは、

他でもない ふき
「あんた」なんですけど??



記憶力、どこに
落っことしてきたのよ?






あきれはてる ネック と、

それを
「まあまあ」と なだめる
ミューラー を 見つめながら、


ふき は、

「他人と自分の発言は、
もっと キチンと記憶しよう…」


   


と、半泣きで
心に誓ったりするのでした。






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