■ その 「しあわせ」 は、
相対的? 絶対的? (5/5)







ネック の話を受け、

ミューラー
悲しそうに うなずきながら、
こう 言いました。





私が勉強のために読んだ
人間さんの本には、
こんなふうに書かれておりました。


今の 世の中は、

『 少し幸福な奴隷 が、
少し不幸な奴隷 を あざ笑って、

自分が奴隷であるという
「根本的な現実」 から
必死に目をそむけている 』


そんな世界なのだと…





そんなもの、「しあわせ」 どころか、

「不幸」以外の何物でもない

ように、私には思えるのですが…






「10段階の 下から3」 が、
「10段階の 下から2」 を
あざ笑うとか、

はたから見たら ギャグだよね。


お前ら、どっちも
「底辺」 に 変わりないでしょうが?







『 自分は、自分を しあわせだと
信じ込むために、

似たレベルの他人を、
無理矢理 ダシに使っていた 』 …




ネックたち にクレームを
ぶつけるつもりが、

逆に痛烈な
カウンターパンチを食らい、

ふき は もうフラフラでした。









そんな彼に、

ネック は、こう 付け加えました。




ふき が、あの日の夜、
公園で あたしと会ったとき、

「しゃべる猫」 の
あたしから逃げずに、
討論に乗ってきた
のも、

そこに理由があると思うよ?





…ど、どういう意味?

ネックさん。





「猫が しゃべってるっていう恐怖」 よりも、

「自分を不幸者って言われた怒り」
のほうが 上回っちゃった
ってことよ。


あんたにとって、
「不幸者」って言われるのは、
それぐらいツラいこと…

認めたくない 『事実』

だったわけだね。





ま、だから あたしも
それを見越して、

「あえて」 あんたを
『不幸者』 呼ばわりした


んだけどね…


アンダスタン(分かった)? ふき






そう言うと ネック は、

「あははは」 と、
ほがらかに笑いました。






『まさか、そこまで…

計算ずく だったとは…』




カウンターパンチが
足に来ていた ふき は、

この最後の 強烈なストレート
まともに食らい、

白目をむいて
床に倒れこむのでした…


    






「しあわせ」 には、2種類 あります。


自分の心、他人との関わり、
時代や、国によって変化する、
『相対的な しあわせ』
と、

自分や他人が どう思おうが、
時代や国が違おうが 揺るがない、
『絶対的な しあわせ』
です。


「今まで ふきくんが主張してきた、
いくつもの しあわせ」 が、
どちらに属するものなのか…?

そして、「DNA の生存本能」は、
どちらなのか…?

さらには、「ここをお読みの
あなたにとっての しあわせ」 は、
どうなのか…?


この機に ぜひ、

ジックリと考えてみて
ほしいのです。






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