■ DNA の生存本能で、
『善悪』 について考えてみる(3/3)







しかし、ふき
混乱の中にあっても、

かみね よりも早く、
「解答」 に辿りついたようでした。





もしかして…

『 主観 』 … の せい?





ミューラー が、「おお!」 と、

うれしそうに声を上げました。









よく憶えてたね、ふき

ご名答。


本来、『 善とか悪 』 って、

純粋に、本人の
「主観」 だけで見れば、

「自分にとって、得か? 損か?」
ってだけの、

すごい単純で分かりやすいもの

なんだよね。





しかし、そうした 「主観」…
『 DNA の 生存本能』 による見方 は、

言うまでもなく、
皆が、それぞれに持っています。


そのため、かかわってる人間が
2人 3人… と 増えていくと、

主観と主観が ぶつかり合って、
どんどん複雑で不明瞭
なってしまうんですよね…





( それで、さっきの話は、

登場人物が増えるにしたがって、

善悪がアイマイ
なっていったのか… )





自分自身の 「気づき」 と、
ネックたち の 解説で、

ふき も ようやく
混乱を脱しました。




かみね も なんとか、

理解に達したようです。









DNA が、「自分が生き残ること」 を
最優先… 「最高の善」 とし、

生物それぞれに、
DNA が入っている以上…


「善悪の 見え方」 は、それこそ、

『 この世の生物の数と同じぐらい、
さまざまに存在する 』
と言えます。





それが つまり…


『 この世の 善悪が、
アヤフヤで流動的 』


である 理由だったのです。







ミューラー の結論を聞きながら、ふき は、

学生時代や、今の会社での、
自分の周りの人々のことを
思い出していました。



そこで出会った人々との間にあった、

数々の 「難しい人間関係」



その正体が、

自分の DNA が見せる 『 善悪 』 を
絶対的なものだと信じこんだ者同士の、

「終わりのない 食い違い」


だったのだと 気づいてみると…



ふき は、

自分たちの中の 「DNA」 の存在が、

恐ろしくさえ感じてくる
のでした…









そして、

『 他人が喜ぶことは、全て、良い行い(善) 』

みたいな 聞こえのいい言葉に、

深く考えもせずに、
「感動」 してしまっていた
昨日までの自分
が、

恥ずかしくも なってくるのでした…










永遠に変わらぬ 「善悪」
などというものは、存在しません。


皆さんの人生の
瞬間瞬間において、

「その時点での、善悪」 を、
必死に探し続けていって
くださいね。



変な言い方に
なってしまいますが、

善悪を探し続けることが 「善」 であり、

それをあきらめ、
思考停止に陥ることこそが 「悪」

なのではないか…? と、

ときどき 私は、
思うことがあるのです。





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