ミューラーの、思い出の岩場(7/7)





うーん…

でも ふきさん は、
そのとき、

「本当は」 何を
していたんですか?




かみね
「当然の疑問」
口にすると、

ミューラー
急に あわてて、

こう 答えました。





も、申し訳ありません。

そこについては 実は、
キツネの おじいさん から、

『 時が来るまでは、
かみねさん を含む全員に、
決して話さないように』


「口止め」 されて
いるのです。





でも、今回の お役目が
終わる頃には、

皆さんに『 事実 』
話せるときが

必ず 訪れると
確信しています。





そう言いながら
ミューラー は、

その日を
待ちわびるように、

でも、
少し寂しそうに、

ほほえむのでした…







個人的な道草に
付き合っていただいて、

ありがとうございました、
かみねさん。


それでは
参りましょうか。

我らが「ふきくん」の
住む街に!





そう言うと
ミューラー は、

平らな岩場を
トットッと走って、

流れる風に
身をゆだねると、

アッというまに
軽やかに、

青い空に 駆け上がって
いきました。




かみね も フワリと
身を浮かせると、

ミューラー の 旋回する
空に向かって

まっすぐ軽やかに
昇っていったのでした。



  












誰もいなくなった岩場に、

冷たい風が
流れていきます…



その風を受けて、

「岩の柱」
てっぺんの「くぼみ」が、

カサカサと 乾いた音を
たてました…





それは なぜだか、

とても空虚で、
寂しい音に、

聞こえるのでした。










[章の 目次 に戻る]