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サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』→
 第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ 『輪廻転生(りんねてんしょう)』の 正体  | 
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 ここで ふき は、 ハタと 気がつきました。  | |
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 ネック は、 ふき の 質問には答えず、 「よろしくね」という感じに ミューラー の 顔を見ました。  
トンビ紳士は、 ニッコリと ほほえみます。  | |
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 ふき と かみね が うなずきました。     
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 ギョッとした ふき に、 ミューラー が ほえみながら、 「いえいえ」と 首を振りました。  | |
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 『食物連鎖』。 その言葉なら、 ふき も 知っています。  
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 ミューラー が、 ニッコリと うなずきました。  | |
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 ふき自身、 「食物連鎖」については 学校で習って 知っていたものの、 あの頃は まだ子供で、 『いつか 自分自身も、 他の生物の 食べ物になる』 という可能性については 考えたこともありませんでしたが…  
こうして 大人になり、 あと 半世紀以内 ぐらいには、 自分も「微生物たち によって分解」され、 『他の生物たちの体を 作っていくのだ』… と 思うと、 怖いような、 それでいて ちょっと 誇らしいような 不思議な気持ち に なるのでした。    
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 ここで ミューラー が、 あらたまって 話を切り出しました。  | |
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 「分子 や 原子」…  
「分子」「原子」についても、 もちろん 知っています。 私たち生物や、 空気 や 水 や 石 など、 さまざまな物体 は もちろんのこと… それこそ、 この宇宙に存在する すべての物 の 素に なっている、 『こまかいツブ』 のことです。  | |
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 ふき は、 話の 壮大さ に 頭がクラクラしつつも、 自分のいるリビングを 見回しました。  
すると、 自分の周りにある、 今まで 単なる「家具」や「品物」 でしか なかった物の 1つ1つ に、 『ものすごく たくさんの 誰かや、動物たちの命』 が 宿っている ように 見えてきたのです。 それは、 とても 不思議 な… でも、 とても あたたかい 光景 でした。  | |
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 自分は 死んだら、 『宇宙の一部』に なれる… ふき は、 生物にとって 最大の恐怖であるはずの 『死』に、 ほんの少しだけ、 不思議な 安心感 を 感じるのでした。    
そして、 一体、自分の周りの どこまでが「自分の体」で、 どこからが 「他人」や「他の生物」や 「宇宙」なのか…? そんな 『境(さか)い目』すら 分からなくなるような、 むしろ そんな事、 どうでもいいような、 『この世界や宇宙との 不思議な一体感』が 自分の中に 湧いてくるのでした。      
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 そんな ふき に、 すぐそばに座っていた ネック が 語りかけます。  | |
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 ネック は そう言って、 ちょっと 誇らしげに、 前足で 自分の胸を ポフポフと たたくのでした。  
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 そう言いながら ネック は、 先ほどの ふき のように、 リビングの中を見渡して、 小さく ほほえむのでした。 まるで このリビングの中に、 もう 目には見えないほど 小さな分子の1つになった 「お父さん」が、 静かに ただよっているかのように…  
全ての生物は 「死ぬ」ことで、 誰もが皆、同じ 『宇宙の一部』となって、 まざりあう… 今の ネック には それが、 とても ほんのりと、 うれしい のです。      
そんな ふきたち「生物」を、 「宇宙の一部に なれない」 神さま である かみね が、 とても うらやましそうに、 愛おしそうに、 見つめるのでした…  
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 「霊」という存在を 信じたがる気持ち も、 結局は われわれの価値観が 『生存本能』に 縛られている 証拠の1つ かもしれません。 死んでしまったら、 私たちの「命」は 無くなってしまう のが、 「事実」であり 「自然」なのに、 それが 恐ろしいから、 寂しいから、 『実は 魂は永遠に 残っているんだ!』 と 信じこみたい… その気持ちは ある意味、 「当然」と言えるでしょう。 でも、 「自分が そう信じたいという思い」 (主観・願望)と、 『現実』(客観)とは、 まったく 別々のものです。 その事実だけは、 決して 忘れずに いてほしいものです。  |