■ 僕らは死んで、
宇宙に還(かえ)る(2/4)

『本当の意味での 輪廻転生』





あたしらの「命」が、

こまかーく 薄ーく
広がって、


『別の生き物の中に
入っていく』
感じだね?




ミューラー が、

ニッコリと
うなずきました。




その通りです。

単なる「概念」ではなく
本当に、

『私たちの命は、
この世界を 循環している』

わけです。





自分の「体」だった物 が、

微生物の栄養となり…

大地に しみこみ…

草木となって…





結果的に、

さまざまな
生物たちにとっての
「食べ物」となり、


『 その生物の 体の一部と
なっていく 』

わけですから…







ふき自身、

「食物連鎖」については
学校で習って
知っていたものの、


あの頃は まだ子供で、

『いつか 自分自身も、
他の生物の 食べ物になる』

という可能性については

考えたことも
ありませんでしたが…




こうして 大人になり、

あと 半世紀以内
ぐらいには、

自分も 微生物たち
によって分解され、


他の生物たちの体を
作っていくのだ…


と思うと、


怖いような、

それでいて
ちょっと 誇らしいような
不思議な気持ち

に なるのでした。









さて…




ここで ミューラー が、

あらたまって
話を切り出しました。





「食物連鎖」は、

われわれの目にも
見えやすい、
大きな視点による
現象ですが…


これは つまり、

『地球上で、分子や原子の
やり取りがされている』

という事になります。






「分子や原子」




「分子」「原子」については、
学校で習って
知っています。



私たち生物や、
空気 や 水 や 石 など、
さまざまな物体

もちろんのこと…


それこそ、
この宇宙に存在する
すべての物

素にすら なっている、

『こまかいツブ』
のことです。





「私たちの命」
「私たちの体」は、

死ぬことで 分解され、

この『分子や原子』
還(かえ)っていきます。





そして、

他の生物の食べ物
なるのは もちろん、

ときには、

この世を構成している
気体・水・石など、
多種多様な物体の「材料」

にも なっていきます。






今までは
「誰かの体」を構成していた
分子・原子が…


この世界の
いたるところに
広がっていく
わけです。




  






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