■ 僕らは死んで、
宇宙に還(かえ)る(3/4)

『輪廻転生の正体は、
分子・原子の循環』





道ばたの 石の中 に、
包まれているかも
しれません…


流れていく
風や 水の中
に、
ふくまれているかも
しれません…



   





大地に広がる
草や木々 は もちろん、

今 私たちが
こうして住んでいる
お家や家具の木材を
育てた
かしれません…






かつては
『誰かの体』だった
分子・原子
は、

その姿を変えつつも、

今 この瞬間も、
地球の どこかに、
確実に存在している

のです。



   






ふき は、
話の壮大さ
頭がクラクラしつつも、

自分のいるリビングを
見回しました。







すると、

自分の周りにある、

今まで 単なる
「家具」「品物」
でしか なかった物の
1つ1つ に、

『ものすごく たくさんの
誰かや、動物たちの命』
が 宿っている
ように
見えてきたのです。




それは、
とても 不思議 な…


でも、

とても あたたかい
光景
でした。





僕も 死んだ後は、

長い長い年月をかけて

細かく薄く
なりながら…





この地球上の
さまざまなものの「一部」に
『生まれ変わり』ながら…



いつか、
この宇宙の彼方にまで、
広がり 散っていく のか…







自分は 死んだら、
『宇宙の一部』に なれる…




ふき は、

生物にとって
最大の恐怖であるはずの
『死』に、

ほんの少しだけ、

不思議な安心感
感じるのでした。






そして、

一体、自分の周りの
どこまでが
「自分の体」で、

どこからが
「他人」や「他の生物」や
「宇宙」なのか…?



そんな
『境(さか)い目』すら
分からなくなるような、

むしろ そんな事、
どうでもいいような、

『この世界や宇宙との
不思議な一体感』

自分の中に
湧いてくるのでした。


  






[章の 目次 に戻る]