■ 僕らは死んで、
宇宙に還(かえ)る(4/4)

『輪廻転生の正体は、
分子・原子の循環』





そんな ふき に、

すぐそばに座っていた
ネック が 語りかけます。




ちょっと ちょっと、ふき

あんただけじゃないよ?


この かわいらしい
ネックさんの体だって、

いつか
『宇宙の一部』
なっちゃうんだからね?





ネック は そう言って、

ちょっと 誇らしげに、
前足で 自分の胸を
ポフポフと
たたくのでした。





…もちろん、

「あたしの お父さん」
もね。






そう言いながら
ネック は、

先ほどの ふき のように、
リビングの中を
見渡して、

小さく
ほほえみました。





まるで
このリビングの中に、

もう 目には見えないほど
小さな分子の1つになった
「お父さん」が、

静かに ただよって
いるかのように…






全ての生物は
死ぬことで、

皆、同じ
『宇宙の一部』となる…




今の ネック には
それが、

とても ほんのりと、
うれしい のです。


  






そんな
ふきたち「生物」を、


「宇宙の一部に なれない」
神さま である
かみね が、

とても
うらやましそうに、
愛おしそうに、

見つめるのでした…









「霊」という存在を
信じたがる気持ち
も、

結局は われわれの価値観が
『生存本能』に 縛られている
証拠の1つ
かもしれません。


死んでしまったら、
私たちの「命」は
無くなってしまう
のが、
「事実」であり 「自然」なのに、

それが 恐ろしいから、
寂しいから、


『実は 魂は永遠に
残っているんだ!』

と 信じこみたい…

その気持ちは ある意味、
当然かもしれません。



でも、
「自分が そう信じたい
という思い」(主観)

「現実」(客観)とは、

まったく 別々のものです。


その事だけは、
決して 忘れずに
いてほしいものです。






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