■『 感謝されたい症候群 』(12/14)





言われてみれば、
現在 20代の ふき
生まれる少し前までは、

コンピュータは、

一部の金持ちや、
マニアックな人々の道楽

のような存在
だったそうです。



現在のように、

『 コンピュータの無い世の中を
想像するほうがムリ 』

と言われるほどに、

誰もが気軽に
パソコンやスマホを使って、

自在に情報をやり取りする

ような時代が来ることを、

あの当時、

はたして 何人の人間が
予想できたことでしょう??








あたしは、

これを作ったやつを
褒めてやりたいね…



そう言いながら ネック は、

愛用の、陶器の
「 ごはん皿 」 を、
前足で なでました。




前にあたしを飼ってくれてた
じいさんの家にいたころは
当たり前みたく使ってたけど…


ノラになって、

地面に落ちてるものを
そのまま食べるように
なってみると

「お皿」って便利だったんだなぁ…
て ビックリしたよ。




あの公園の近所の人間が、
あたしの ご飯を
皿に入れて持ってくる
ようになったときは、

『 食べ物が汚れない 』
ってことに、

あらためて、
すんごく感動した
のを
憶えてるなぁ…




ネック が 爪の先で
ごはん皿 を軽くはじくと、


チィン という
陶器の涼しい音色が、

ふきたちのいるリビングに
さわやかに広がりました。


    





そんな陶器の響きが
静まる頃…


ミューラー が、
少し寂しそうな顔で、

こんな話を はじめました。






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