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榎本俊二 |
『 ムーたち 』 |
平成屈指のギャグ漫画家の1人 「榎本俊二」。 その代表作としては 『ゴールデン・ラッキー』 『えの素』あたりが 挙がりますが… (もちろん自分も この2作は、 全巻 愛読しております) 実のところ、自分にとっての ベストオブ榎本 は、 今回 ご紹介する、 『ムーたち』 になります。 ![]() 『ムーたち』は、 非常に変わった、 ある意味 読む人を選ぶ作品 です。 氏の得意とする 「不条理ギャグ」のような キャッチーな 外見 を 持ちながら、 その内容は 既存の価値観・常識 についての 『破壊や実験・再確認』… つまり、 とても「哲学的」な 作品 なんですね。 ![]() |
「では、難解な漫画なのか?」 というと、 必ずしも そういうわけではなく… 本来なら難解に なりがちな題材を、 たくみに 「日常的なもの」に 置き換える ことで、 読み手の「気づきと納得」を 引き出そうとする心遣い が、 随所に散りばめられている のです。 ![]() 一方で、 その表現方法が あまりにも鋭利に 洗練されすぎている ため、 人によっては 一度や二度 読んだぐらいでは、 「作者が伝えたいであろう、 各話の本質」を 読み取れないケース も たしかにあると思います。 (僕も、いくつかの話で それがありました) サラッと1回 読み飛ばしただけ だと、 『読者を突き放した、 異常に難解な漫画』 との「誤解」のみを残す 恐れもあるでしょう… ![]() しかし、 それを乗り越えて、 三度・四度と 読み返していると、 (漫画ですから、苦も無く読み返せます) 一見バカバカしく、 雑に表現されたような コマの1つ1つ が、 実は、全体を通して 非常に綿密に計算され、 いずれも欠きがたい 「意味」を込められている ことに 気がつきはじめます。 読めば読むほど、 『無駄ゴマが見つからなく なってくる』のです。 少ないページの中に、 本っ当にギリギリまで ギッチリと「表現」を 詰め込んだ、 『宝石箱』のような傑作 … それが、 『ムーたち』 なのです。 ![]() |
また、『ムーたち』の 大きな魅力として、 深く洗練された 登場人物たちの存在 が 挙げられます。 主人公である小学生 『ムー夫(むーお)』は、 子供らしい素朴な気づき を 軸にしつつも、 ときに 愕然とするような 『発想や疑問・反論』を 両親に投げかけてきます。 ![]() ムー夫の父である 『みのる』は、 非常に幅広い知識と 洞察 をもって、 ムー夫をはじめとする 周りの人々の疑問・質問に 真摯に答えていきますが… ときに そこには 『詭弁(きべん)』が 平然と含まれていたりもする、 油断のならない(笑)論客 です。 (あと、なぜか次々と 顔が変わります) ![]() そして、 本作の もう1人の主人公 『規理野(きりの)くん』。 20代半ばの青年である彼は、 あらゆる物事から 『法則』を見つけ出す ために、 世間から見れば 「完全な無駄」としか思えない 実験行動と データ収集に、 日々 果敢に挑み続けています。 ![]() この、それぞれに 深く特化したキャラ が、 「我々にとっての 世間の常識」 と 接触するとき… 我々の感じていた (信じていた) 常識は モロくも崩れ、 そこに 『心地よい不安感』と 『常識の再認識への欲求』 が 生まれ … 気づけば 本作の代えがたい魅力の 虜になっている 自分がいるのです。 ![]() |
ちなみに、この 名作 にも 問題点(?) が いくつか存在します。 1つは、 『一部に下ネタがあるため、 人を選ぶ』点です。 もっとも、 大人が読む分には 本当に「添えもの」程度に 感じるレベル ですが。 そして もう1つは、 『見た目が不条理ギャグなので、 内容も不条理ギャグだと 誤解する・されるケースがある』 という点です。 ここまでの文章を 前情報として持っている 皆さんであれば、 そんな心配もないと思われますが、 ネット上の 当作のレビューを 読んでいると、 「不条理ギャグ漫画」と 勘違いした上での 的外れな批判 、 あるいは 不当な低評価をされている ケース が 散見されるのです。 『作品の外ヅラにしか 目が行かない人』 『深い思考を拒絶している人』 には、 徹底的に 「向かない」作品 なので、 その点だけは ご注意ください。 ![]() もっとも、 そんな人であれば、 多分「うちのサイト」に 辿り着くことも 無かったはず ですが。 うちのサイトに 居心地の良さを 感じて下さる方 であれば、 『ムーたち』に 内包される 心地良さ にも、 きっと気づいてもらえるものと 確信しています。 ![]() |
最後に、 当作品の中から、 当作を象徴するコマ を いくつか ご紹介… …しようと 思ったのですが、 本当に細部に至るまで 「意味深いコマ」が多い ので、 選択に困り果てました(苦笑) ということで、 「象徴している」というよりは、 『興味を持ってもらえそうな』 コマ を 数点、 ご覧いただこうと思います。 ![]() あなたはこの主張に、的確に反論できますか? ![]() 今この瞬間の選択が、未来を決定する…?? ![]() 『サード自分』が 現れたよ……! 時間があれば、 本当に1つ1つの話について 解説ページを作りたいほど 大好きな作品 です。 あなたが脳が 世間の「常識」に 慣れ疲れ、 新たな風を 感じたくなったとき… ぜひ、当作品を 手に取ってみて下さいね。 ![]() ![]() ![]() |
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