サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第1章『オレって しあわせ!』
ネックさん、今日こそ 言わせてもらいますけどね


■ ネックさん、今日こそ言わせて
もらいますけどね(1/2)


『ふき、必死の抵抗を開始』


執筆日 2013年頃   最終更新日 2019年 12月26日





毛づくろい を終えて
満足げに くつろぐ ネック と、

それを ただただ
半泣きで見つめる ふき

  




で、いつもなら、

反論もできずに
このまま ペシャンと
へこんでしまう
のが、

彼の 今までの
パターンでしたが…



今日は、何か
思うところ
あったようで、


何度か ためらった後、
ついに意を決して、
こう 切り出したのでした。





あ… あのですね、
ネックさん…


オレぁ、今日こそ
言わせてもらいますよ?




…何をよ?







自分の 10分の1 ほどの
体積しかないのに、

ときに 凄まじい
気性の荒さ
を見せる
このメスの白猫に
ジロリと にらみ上げられ…


ふき は 早くも、
当初の気力が
折れそうになりました。






それでも、ネック
この家に来てからの、

この1週間の「屈辱の日々」
を 思い返し…



必死の勇気(?)を
ふりしぼって、

「フフン」と 不敵な笑顔を
作ったのでした。





あ、あなたは どうも、
オレを「見下してる」
みたいですけど、

これでもオレ、

今の日本人の中では
「かなり マシな部類」
というか…





むしろ、

結構 いろんな「しあわせ」
獲得できてる
『 中流層 』だと、

自分では 思ってますよ?





という事で、今日は
そのあたりの『真実』

キチンと あなたに
叩き込ん…



…と、勢いに乗って
話していた ふき でしたが、


『 叩き込んで 』という
思い上がったセリフに、

一瞬、ネック の目が
ギロリと つり上がった
ような気がして、




ギクリ!
心が 震えました。





いやその、
教えてやろうと…


じゃなくて その…


…教えさせて
下さりますれば、
うれし… ありがた…


恐悦至極に
存じますかなぁ… と…









ネック鋭い目つき
見ているうちに、


最初に奮い起こした気持ち が、
ドライアイスのように
しゅわ しゅわー…
と、蒸発していくようで…



ふき の 声もまた、

どんどん
小さく ちぢこまって
いくのでした…









[章の 目次 に戻る]