サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第1章『オレって しあわせ!』
『品物』に囲まれているから、自分は幸せ


■『品物』に 囲まれているから、
自分は幸せ


『品物で築かれた、俺の城w』


執筆日 2012年頃   最終更新日 2023年 10月07日





まあ、この室内を
見わたしてみてよ、
ネックさん。




ふき は、両手を
大げさに広げながら
クル〜リ と 体を1回転させて、

自信満々に ほほえみました。






この賃貸マンションの1室は、
言ってみれば
オレの城 なんだよね。


で、この部屋の中にある
数々の品物 も、

オレが働いて 買いそろえた…




…いや まあ、

一部は 父さん・母さん や、
じいちゃん・ばあちゃん から
譲られた物
も あるんだけど、

そうやって 積み上げてきた、
俺の『人生の結晶』
なんだよなぁ。




世の中には、

生活を豊かにしてくれる
こうした品物

買いそろえるどころか、

目先の生活費にすら困って
ピーピー言ってる、
無計画な貧乏人ども

増えているようだけどさ…




そんな連中に比べたら、

自分は 本っ当に
しあわせ者 だと
思わずにいられないよ。




この室内の品々を
見まわしているだけで、
オレは、

自分の人生が
間違っていない

ことを、

ヒシヒシと実感せずには
いられないなぁ〜〜






うん、分かるよ ふき

あたしも、
この部屋 大好き だよ?






背後から、ネック
そんな感想が聞こえ、

「そうでしょう、そうでしょう」



と ニコやかに
振り返った ふき は、


その顔面を
青黒くしました。







ここに引っ越して以来、

キズがつかないよう
大事に大事に あつかってきた
マンションの壁に、


ネック が、
50センチは あろうかという
見事な 縦のヒッカキ傷

を こしらえて、

恍惚(こうこつ)とした表情を
浮かべていたからです。




やっぱり、人間の家の壁
イイよねぇ…

ノラやってると、木の幹とか
コンクリ壁ばっかで、

「爪とぎ」が やりにくくって
しょうがない
のよ。




あーー、
なつかしい この感覚…

『家ネコ ばんざい』ね。







この後、室内は、

壁からムリヤリ引きはがされて
不機嫌になった ネック と、

その壁に しがみついて
「敷金があぁ」
泣きわめく ふき で、

けっこうな修羅場となったそうです。

  



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