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第1章『オレって しあわせ!』→
『品物』に囲まれているから、自分は幸せ


■『品物』に 囲まれているから、
自分は幸せ


『品物で築かれた、俺の城w』


執筆日 2012年頃   最終更新日 2025年 11月26日





まあ、この室内を
見わたしてみてよ、
ネックさん。




ふき は、両手を
大げさに広げながら
クル〜リ と 体を1回転させて、

自信満々に ほほえみました。






この賃貸マンションの1室は、
言ってみれば
オレの城 なんだよね。


で、この部屋の中にある
数々の品物 も、

オレが働いて 買いそろえた…




…いや まあ、

一部は 父さん・母さん や、
じいちゃん・ばあちゃん から
譲られた物
も あるんだけど、

そうやって 積み上げてきた、
俺の『人生の結晶』
なんだよなぁ。




世の中には、

生活を豊かにしてくれる
こうした品物
を
買いそろえるどころか、

目先の生活費にすら困って
ピーピー言ってる、
無計画な貧乏人ども
も
増えているようだけどさ…




そんな連中に比べたら、

自分は 本っ当に
しあわせ者 だと
思わずにいられないよ。




この室内の品々を
見まわしているだけで、
オレは、

自分の人生が
間違っていない

ことを、

ヒシヒシと実感せずには
いられないなぁ〜〜






うん、分かるよ ふき。

あたしも、
この部屋 大好き だよ?






背後から、ネック の
そんな感想が聞こえ、

「そうでしょう、そうでしょう」



と ニコやかに
振り返った ふき は、


その顔面を
青黒くしました。







ここに引っ越して以来、

キズがつかないよう
大事に大事に あつかってきた
マンションの壁に、


ネック が、
50センチは あろうかという
見事な 縦のヒッカキ傷

を こしらえて、

恍惚(こうこつ)とした表情を
浮かべていたからです。




やっぱり、人間の家の壁 は
イイよねぇ…

ノラやってると、木の幹とか
コンクリ壁ばっかで、

「爪とぎ」が やりにくくって
しょうがない
のよ。




あーー、
なつかしい この感覚…

『家ネコ ばんざい』ね。







この後、室内は、

壁からムリヤリ引きはがされて
不機嫌になった ネック と、

その壁に しがみついて
「敷金があぁ」と
泣きわめく ふき で、

けっこうな修羅場となったそうです。

  



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