サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第1章『オレって しあわせ!』
『品物』に囲まれているから、自分は幸せ


■『品物』に 囲まれているから、
自分は幸せ


『品物で築かれた、俺の城w』


執筆日 2012年頃   最終更新日 2021年 05月08日





この室内を
見てくださいよ…

ネックさん。




ふき は、両手を
大げさに広げながら
クル〜リ と 体を1回転させて、

自信満々に ほほえみました。





この部屋… マンションは、
いわば 俺の城 です。


そして、
この部屋の中にある
数々の品物も、

俺が働いて そろえた…





…いや まあ、

一部は 父さん・母さん や、
じいちゃん・ばあちゃん から
譲られた物
も あるんですが、

そうやって積み上げてきた、
俺の「人生の結晶」
なんですよね。





世の中には、

生活を豊かにしてくれる
こうした品物を
買いそろえるどころか、

目先の生活費にすら困って
ピーピー言ってる、
無計画な貧乏人ども

増えているようですが…





そんな連中に比べたら、

自分は 本っ当に
しあわせ者 だと
思いますよ。





この室内の品々を
見まわしているだけで、
オレは、

自分の人生が
間違っていない

ことを、

ヒシヒシと実感せずには
おれませんね〜〜






うん、分かるよ ふき

あたしも、この部屋
大好きだよ?






背後から、ネック
そんな感想が聞こえ、


「そうでしょう、そうでしょう」



と ニコやかに
振り返った ふき は、



その顔面を
青黒くしました。








ここに引っ越して以来、

キズがつかないよう
大事に大事に あつかってきた
マンションの壁に、


ネック が、

50センチは あろうかという
見事な 縦のヒッカキ傷

を こしらえて、

恍惚とした表情を
浮かべていたからです。





やっぱり、人間の家の壁
イイよねぇ…

ノラやってると、木の幹とか
コンクリ壁ばっかで、

「爪とぎ」が やりにくくって
しょうがない
のよ。





あーー、
なつかしい この感覚…

『家ネコ ばんざい』だね。








この後、室内は、

壁からムリヤリ引きはがされて
不機嫌になった ネック と、

その壁に しがみついて
「敷金があぁ」
泣きわめく ふき で、

軽い修羅場と なったそうです。

  



【下へ 続きます】



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