サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第1章『オレって しあわせ!』
そして、ネックは言いました


■ そして、ネックは
言いました


『あたし、この家に来て
本当に良かったよ』


執筆日 2013年頃   最終更新日 2023年 10月17日





ひと通り、
『自分の しあわせ』
語り終わった ふき は、

「ふぅ…」と、
一息をつきました。






もちろん 所々、
言い足りないところも
ありましたが、


自分が いかに
『他人より しあわせか』を、
こうして 改めて 言葉にし、
再認識するという行為
は、

ふき にとって、
快感に満ちた時間
でも あったのです。




ネックさんも、かなり
ビックリ しただろうなぁ…


この話が始まる前は、
オレのことを
『目クソが 鼻クソを
笑ってるみたい』

とかなんとか言って
バカにしていたけど…)




(そのオレが、実は
こんなに色々な
「しあわせ」
を 持ってた上に…


そうした
「しあわせ」について、
ちゃーんと 考えて
「自覚してた」
ことまで
知らされちゃったわけだから…)





そんなふうに
ちょっとニヤけながら、
感想を待ちわびる ふき に、


ネック は 静かに、
こう 語りだしました。




ふき


あたし、この家に来て
本当に良かったよ。





ようやく
分かってくれたんだね、


ネック さん!!




ふき の 頭の中に、

カラ〜ン コロ〜ン と、
清らかな鐘の音が鳴り響き、


ネック深く
うなずき返しました。






だって、
あたしが来なきゃ、

あんたみたいな
『バカな 不幸者』が、

「自分は しあわせ者だ〜〜」とか
勘違いして 増長 して、

周りの人たちや 世の中の
「迷惑」に なり続けてた

かも しんないんだからね…







てっきり
「認められた」のだと、
勘違いして 増長 しつつ
あった ふき



そんな彼の心を
粉砕 するかのごとく、

鉄槌のような、
ネック決めゼリフ が、
冷徹に 打ちおろされました。






やっぱ、
あんた ダメだわ。

クズは このまま生きてても
「資源のムダ使い」にしか
ならないんだから、


今すぐ 死になさいよ
バカ!!




【下へ 続きます】



【広告】

 



『そんなんじゃ 納得いかないよ、
ネックさん!』





決めゼリフを放った
ネック は、

ただ静かに、ふき の顔を
見つめています。





一方の ふき は、

奈落の底に
突き落とされたような
大きなショック
に、

うつろな視点と 半開きの口で、
呆然と立ちつくしていたのですが…






ここまで 一方的に
ダメ出し され続けては、

さすがに
腹に すえかねるもの
あったようです。




り、「理由」を…

ネックさん…

オレの 「しあわせ」が
ダメだ
っていう
『具体的な 理由』を、
ちゃんと 説明してよ!




「ダメだ ダメだ」って、
具体性 0 で批判
されても、

こっちは 全然
納得できないよ!!



自分で言ってて、
「ズルい」と思わないの?
そういうの…!!





ふき としては
この言葉は、

当然、ネックに 激怒される
と 覚悟して言い放ったもの
だったのですが…





当の ネック は、
怒るどころか、

むしろ
「その言葉を 待っていた」
かのように、
深く うなずいた のでした。




もちろん、
「理由」は 説明する よ?


『それを教える約束で』
あたしは、あんたンち に来た
んだからね。





そして、

ふき に… というより、

まるで 自分自身に
言い聞かせるように

こう続けたのでした。




でも、今から
説明していくことは、

あんたにとって
けっこう ツラい話
なるだろうから…




そこんとこ、

覚悟 すんのよ?








【下へ 続きます】



【広告】

 



『ふきくんの お住まいは、
こちらでしょうか?』





これまでのパターンであれば、


『 なに 反論してんのよ、
この クズ!! 』



ぐらい 言い返してくる
はずの ネック の、

この 意外すぎる反応 に…


ふきは うっすらと、
「怖さ」のようなものすら、
感じてくるのでした…






そんな ふきの 戸惑いで、
空気が固まってしまった
部屋の中に…



そのとき 突然、

軽やかな
「玄関チャイム」の音

響きわたりました。





あの… 失礼します。




ふきくん の お住まいは、

こちらに
なりますでしょうか?






玄関ドアの
向こうからは、

ふき のことを親しげに
「くん付け」で 呼ぶ



その一方で、
「キチンとした節度」
感じさせる、

そんな
心地よい 男性の声
が 流れてきます…




しかし
不思議 なことに、

名前を呼ばれた ふき本人 は、

その声の主に
まったく 心当たりが
無かった
のです…








ふきの「しあわせ」ってやつを
聞いてみて、
よーく分かったわ。


やっぱりコイツ、
『根本的なところで、
とんでもない勘違い』

を してたのね…


次の章では、
この ネックさんが、

そこんとこを
ジックリ 教えてやろう
じゃないの。



お待ちかねの
『お客さん』も、
到着したようだし… ね。






[章の 目次 に戻る]