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第1章『オレって しあわせ!』→ そして、ネックは言いました |
ひと通り、 『自分の しあわせ』を 語り終わった ふき は、 「ふぅ…」と、 一息をつきました。 もちろん 所々、 言い足りないところも ありましたが、 自分が いかに 『他人より しあわせか』を、 こうして 改めて 言葉にし、 再認識するという行為 は、 ふき にとって、 快感に満ちた時間 でも あったのです。 | |
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そんなふうに ちょっとニヤけながら、 感想を待ちわびる ふき に、 ネック は 静かに、 こう 語りだしました。 | |
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ふき の 頭の中に、 カラ〜ン コロ〜ン と、 清らかな鐘の音が鳴り響き、 ネックが 深く うなずき返しました。 | |
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てっきり 「認められた」のだと、 勘違いして 増長 しつつ あった ふき … そんな彼の心を 粉砕 するかのごとく、 鉄槌のような、 ネック の 決めゼリフ が、 冷徹に 打ちおろされました。 | |
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決めゼリフを放った ネック は、 ただ静かに、ふき の顔を 見つめています。 一方の ふき は、 奈落の底に 突き落とされたような 大きなショック に、 うつろな視点と 半開きの口で、 呆然と立ちつくしていたのですが… ここまで 一方的に ダメ出し され続けては、 さすがに 腹に すえかねるもの が あったようです。 | |
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ふき としては この言葉は、 当然、ネックに 激怒される と 覚悟して言い放ったもの だったのですが… 当の ネック は、 怒るどころか、 むしろ 「その言葉を 待っていた」 かのように、 深く うなずいた のでした。 | |
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そして、 ふき に… というより、 まるで 自分自身に 言い聞かせるように、 こう続けたのでした。 | |
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これまでのパターンであれば、 | |
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ぐらい 言い返してくる はずの ネック の、 この 意外すぎる反応 に… ふきは うっすらと、 「怖さ」のようなものすら、 感じてくるのでした… そんな ふきの 戸惑いで、 空気が固まってしまった 部屋の中に… そのとき 突然、 軽やかな 「玄関チャイム」の音 が 響きわたりました。 | |
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玄関ドアの 向こうからは、 ふき のことを親しげに 「くん付け」で 呼ぶ … その一方で、 「キチンとした節度」も 感じさせる、 そんな 心地よい 男性の声 が 流れてきます… しかし 不思議 なことに、 名前を呼ばれた ふき本人 は、 その声の主に まったく 心当たりが 無かった のです… |
ふきの「しあわせ」ってやつを 聞いてみて、 よーく分かったわ。 やっぱりコイツ、 『根本的なところで、 とんでもない勘違い』 を してたのね… 次の章では、 この ネックさんが、 そこんとこを ジックリ 教えてやろう じゃないの。 お待ちかねの 『お客さん』も、 到着したようだし… ね。 |