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第2章『それって、しあわせ?』→ 南方からの客人 |
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ふき の 住む マンションの部屋の玄関に、 そんな、 品を感じさせる 男性の声 が 響いたのは、 白猫 ネック との話が、 意外な方向に 転がりだした 矢先 でした。 ふき は正直、 予想もしていなかった ネック の 深刻な態度に、 うっすらと 怖さ のようなものを 感じていたので… 突然の「訪問者」の声に、 グッドタイミングで救われた ような気がして、 すぐさま 玄関へと走りました。 ところが… 玄関のドアを開ける前に、 ドアスコープで外を覗いた ふき は、 「ん??」と、 スットンキョウな 声をあげました。 レンズの向こうに、 誰の姿も 映っていなかった からです。 | |
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首をかしげながら、 カチャンとドアを開け、 左右にのびる通路を 見わたしましたが… やっぱり、 誰の姿もありません。 そのとき、 先ほどの 男性の声 が、 地面から 湧き上がるように ふき の 耳に届きました。 | |
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ふき が、声のした方向… つまり、自分の 足元 に 視線を落とすと… 大きな 茶色い鳥 が、 りりしい瞳で、 ふき を 見上げておりました。 その鳥の頭の位置は、 ふき のヒザよりも さらに高いほどで、 身長(?)60センチ以上 は ゆうに ありそうです。 もし、たたんでいる 羽根 を いっぱいに広げれば、 軽く 左右に 1.5メートル は あるのではないでしょうか? しかも この鳥、 驚いたことに、 「袖をはずした 白いカッターシャツを、 まるで ベストか何かのように、 おしゃれに 羽織っている」 のです。 |