サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第2章『それって、しあわせ?』
南方からの客人


■ 南方からの客人(1/5)

『来たのは 誰だ』


執筆日 2013年頃   最終更新日 2023年 10月25日





あの… 失礼します。

ふきくん の お住まいは、

こちらに
なりますでしょうか?





ふき の 住む
マンションの部屋の玄関に、

そんな、
品を感じさせる 男性の声
が 響いたのは、


白猫 ネック との話が、
意外な方向に 転がりだした
矢先
でした。




ふき は正直、

予想もしていなかった
ネック深刻な態度に、

うっすらと
怖さ のようなものを
感じていたので…

  


突然の「訪問者」の声に、
グッドタイミングで救われた

ような気がして、

すぐさま
玄関へと走りました。






ところが…

玄関のドアを開ける前に、
ドアスコープで外を覗いた ふき は、

「ん??」と、
スットンキョウな
声をあげました。




レンズの向こうに、
誰の姿も 映っていなかった
からです。






…おかしいな?

待ちくたびれて
帰っちゃった
のかな。


結構 すぐ来たつもり
だったんだけど…





首をかしげながら、
カチャンとドアを開け、

左右にのびる通路を
見わたしましたが…

やっぱり、
誰の姿もありません。




そのとき、
先ほどの 男性の声 が、

地面から
湧き上がるように

ふき の 耳に届きました。




ここです、ここです。

ふきくん。




ふき が、声のした方向…

つまり、自分の 足元
視線を落とすと…






大きな 茶色い鳥 が、

りりしい瞳で、
ふき を 見上げておりました。






その鳥の頭の位置は、
ふき のヒザよりも
さらに高いほどで、

身長(?)60センチ以上
ゆうに ありそうです。



もし、たたんでいる 羽根
いっぱいに広げれば、

軽く 左右に 1.5メートル
あるのではないでしょうか?




しかも この鳥、
驚いたことに、

「袖をはずした
白いカッターシャツを、


まるで ベストか何かのように、
おしゃれに 羽織っている」

のです。








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