■ 「お金」 の価値は、
変動させられてしまう (1/2)







じゃあ今日は、
「お金」 について考えてみようか?

それでいい? ふき






先日、自信のあった 若さ について
ケチョンケチョンに言い負かされた(?)
ふき でしたが、

日を置いて、気持ちもリフレッシュ。



今日こそ この
なまいきなメスの白猫に、
自分が いかに しあわせか
思い知らせてやる!

と、気合十分です。






いいすよ? ネック さん。

今日は、資本主義社会の
『最強の武器』
について
話そうじゃないすか?



ま、せいぜい論破してくださいよ。

できるものならね。







ムリに背伸びをして
カッコいい言葉を使う ふき に、

ミューラー はキョトンとし、
ネック は苦笑しました。

  









さて、そんなこんなで
「お金」 についての
話を始めるわけですが…



その前に ネック は、
予備知識として、

ふき結構シッカリ貯金をしている ことを、
ミューラー に教えてあげたのでした。






その話を聞いたトンビ紳士、

目を輝かせて ふき を称賛します。






う〜む、うらやましいかぎりですね、
人間さんたちは…


私たち動物は 基本的に、
物を貯めるだけの
余裕がありませんし、

お金のような、
互いに共通の価値基準
を持っていないので、

物を交換したりすることもできません…






「お金」 は、それらを可能にする、

人間さんたちの
大いなる知恵の1つ

と言えるでしょうね。







はっはっは、いやいや、
それほどでもないですよ…


我々人類など、
まだまだ ちっぽけなものです。






ふき は、お金の発明者 でも
人類の代表 でもないくせに、

そんなふうに
図々しく謙遜(?)しました。






しかし…





かなりシッカリと
貯めていらっしゃる
というお話ですから、


もうこれからは
働かなくても暮らしていける
のでしょう?


うらやましいですなぁ…






そんなふうに言われて、

ふき は、ちょっとビックリしました。






…え? いや、

これからも働かなくちゃ
いけないですよ?



とても一生遊んで暮らせるほどは…

貯められないので…






え? そうなのですか??






ふき の返答に、

今度は ミューラー のほうが
ビックリ顔です。






さらに ふき から、

定年後も年金だけでは苦しいので、
少しでも長く働かなければならない


と聞かされて、

二度 ビックリ…







…ということは、
結局 人間さんたちも、

ほとんど死ぬまで
働き続けなければならない

のですね…



腕組みをして
考えこんでしまった ミューラー




ネック も苦笑して言いました。


なによ それ?

あたしら動物の一生と、
あんま変わんないじゃん。






そんなふうに言われてみると、

ふき も なんだか少し、
今の自分が寂しく感じてしまいます。










しかも ミューラー が、

追い打ちをかけるように、
こんなことを言いだしたのです。






あと、そんな素晴らしい 「お金」 も、

状況によって
価値がコロコロと変わる

そうですから…



たしかに、

「貯金ができたから働かない」
というわけにも
いかないのでしょうね…







言われて、ふき は大混乱。




え? お金の価値が変わる??


いや でも、ミューラーさん。

100円 は 100円 だし、
10000円 は 10000円 ですよ??








はい、短い期間で見れば
その通りです。



ですが、たとえば
昭和30年ごろの日本は、

今の平成時代と比べて、
物価が 10倍ほど違っていた
そうです。


今、1万円出さないと買えないものが、
千円ぐらいで買えたわけですね。






で、でも 今は、昭和30年ごろに比べて、
給料なんかも 10倍くらいに
なっているでしょう?


だったら、問題ないんじゃないの?






ふき にしては、
なかなか冷静な切り返しでしたが、

ミューラー は静かに首を振りました。





いえ、問題はそこではないのです。

お金の価値が変化することには、
大きな問題 がついてまわるのです。





大きな問題…?

なによ、それ?






『貯金』 がダメージを
受けてしまうのです。






「貯金」 と聞いて、

ふき はギョッとして、

持っていた預金通帳を
握りしめました。










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