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第2章『それって、しあわせ?』→ 「お金」が たくさんあれば、本当に幸せ? |
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そういえば私、 こんな話 を 聞いたことがあります。 |
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「お金」は たしかに 素晴らしいですが、 状況によって 『価値がコロコロと変わる』 のだとか… |
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だとすれば たしかに、 「今 貯金ができている」 からといって、 「もう 働かなくていい」 というわけにもいかない のでしょうね… |
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ええっ!? お金の価値が 変わる?? いや でも、 ミューラーさん。 100円 は 100円 だし、 10000円 は 10000円 ですよ?? |
突然の指摘に 大混乱する ふき に、 ミューラー が 解説した内容は こうでした。 | |
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たしかに 「短い期間」で見れば ふきくんの おっしゃる通りです。 |
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ですが、たとえば 昭和20〜30年ごろ… 1950年ごろの日本 は、 2020年現在と比べて、 『物価が 10倍ほど 違っていた』 そうです。 |
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当時は「千円」ぐらいで 買えていたものが、 現在では、 「1万円」出さないと 買えない わけですね。 |
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で、でも、 逆に 今は、 昭和30年ごろに比べて、 「給料なんかも 10倍くらい」 に なっている でしょう? |
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だったら、 ちゃんと バランスも 取れてるわけで、 なにも 問題ない んじゃないですか? |
ふき にしては、 なかなか冷静な切り返し です。 …が、 ミューラー は 静かに首を振りました。 | |
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いえ、問題は そこではないのです。 お金の価値が 変化することには、 「大きな弊害」が ついてまわるのです。 |
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「大きな弊害」…? なによ、それ? |
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『 貯金 』が ダメージを 受けてしまう のです。 |
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「貯金が ダメージを受ける」 と 聞いて、 ふき は ギョッとして、 持っていた預金通帳を 握りしめました。 ![]() | |
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たとえば、 ふき くん が、 30才の時点で「1億円」を 貯金した とします。 |
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今の時代の 「30才で 1億円の貯金」 といえば、 贅沢をしなければ、 ギリギリ一生 暮らしていけるほどの、 シッカリした大金 です。 |
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ところが、 これが 30年後 … ふき くんが 定年になった頃 に… |
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世の中の お金の価値が 変動 して、 『今の価値の 10分の1』に なってしまった としたら… どうなるでしょう? |
「どうなるでしょう」も へったくれも ありません。 自分の「1億円」が、 なぜか『1000万円』に ちぢんでしまった も 同然です。 ![]() 今の世の中、 「1年間」暮らすのに 数100万円ほどは必要 なので、 1000万ぐらいの貯金では、 せいぜい「5年」もてば 良いほう では ないでしょうか…? つまり、 「年金」を考えなければ、 定年して 5年後には、 無一文になってしまう わけです。 そんな 未来の自分を想像して、 ふき は、ゾッと 震えあがりました。 ![]() もちろん、 「10倍もの 価値変動」が そう簡単に起こるとは 思えません。 でも、 先ほどの ミューラー の たとえ話は、 「30歳の時点で、 1億円を貯めていたとして」 という 破格の前提で 語られたものです。 ![]() 普通のサラリーマンなら、 「2000万円」ぐらい貯めるのも 困難 極まりないはずです。 そして、 2000万円が、 1000万円の価値に 下がるのには、 ほんの 『 2分の1の 価値変動 』で 事足りてしまいます。 それは、 結構 簡単に起こりうる事態 と 言えるのでは ないでしょうか? ![]() そして、 先ほど話したとおり、 そうした事態は、 近年の日本で、 実際に起きている のです。 「今の貯金」は 必ずしも『将来の保障』に なってくれるとは限らない … という事実が、 ふきにも、ジワジワと 理解できてきました。 ![]() ![]() |
もちろん、 お金の価値は 「下がる」ばかりでは ありません。 時には 「上がる」ことも ありうる のです。 ![]() でも、お金の価値が 国内で ゆるやかに 下がっていくのは、 その国の経済が、 安定して成長している証拠 でもあるそうです。 逆に 「お金の価値が上がる」のは、 その国自体が 衰退 して きているわけで、 むしろ 将来的には 『危険』な 傾向 なのです。 ![]() | |
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さらに 困ったことには、 そうした 「お金の価値の 変動」は、 「世界経済の動き」や、 「政治家さんたちの 考え・都合」によって 起こってくるもの なので… |
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『個人レベル』では どうしようも ありません … |
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「貯められる」ことが、 お金の利便性の1つ なのに、 『 その価値が 必ずしも、 長期的に約束された ものではない 』 という点が… |
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『お金』という道具の 矛盾であり 難しさ ではないでしょうか? |
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ようは、あんたが 必死こいて貯金 しても、 どこぞの 誰かさんの 都合1つ で、 勝手に価値を 変えられちゃったりするのが 「お金」ってものらしいよ? |
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ご愁傷さまだったね、 ふき。 |
そんな ネック の言葉も 耳に入らないのか、 ふき は 震える手で、 預金通帳を開きました。 先ほどまで あんなに輝いていた 通帳の預金額 が、 一瞬、 「ただの無意味な 数字の羅列」に 見えたような気がして、 ふき は あわてて目をつぶり、 頭を強くふりました。 ![]() ![]() |