サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第2章『それって、しあわせ?』
「お金」が たくさんあれば、本当に幸せ?


■『お金』が たくさんあれば、
本当に幸せ?(2/3)


『お金の価値が、変化する??』





そういえば私、

こんな話
聞いたことがあります。




「お金」は たしかに
素晴らしい道具ですが、

状況によって
『価値がコロコロと変わる』
欠点もある
のだとか…




だとすれば たしかに、

「今 貯金ができている」
からといって、
「もう 働かなくていい」
というわけにもいかない

のでしょうね…





ええっ!?
お金の価値が
変わる??



いや でも、
ミューラーさん。

100円 は 100円 だし、
10000円 は 10000円 ですよ??





突然の指摘に
大混乱する ふき に、

ミューラー
解説した内容は こうでした。




たしかに
「短い期間」で 見れば

ふきくんの
おっしゃる通りです。




ですが、たとえば
昭和20〜30年ごろ…
1950年ごろの日本
は、

2020年現在 と比べて、
『物価が 10倍ほど
違っていた』

そうです。




当時は「千円」ぐらいで
買えていたものが、

現在では、
「1万円」出さないと
買えない
わけですね。





で、でも、

逆に 今は、
昭和30年ごろに比べて、
「給料なんかも 10倍くらい」
に なっている
でしょう?




だったら、

ちゃんと バランスも
取れてるわけで、

なにも 問題ない
じゃないですか?




ふき にしては、
なかなか冷静な切り返し です。


…が、

ミューラー
静かに首を振りました。




いえ、問題は
そこではないのです。

お金の価値が変化する
ことには、
「大きな弊害」
ついてまわるのです。




「大きな弊害」…?

なによ、それ?




『 貯金 』が ダメージを
受けてしまう
のです。








【下へ 続きます】



【広告】

 



『「お金」というシステムの 弱点』





「貯金が ダメージを受ける」
と 聞いて、

ふき は ギョッとして、
持っていた預金通帳を
握りしめました。







たとえば、

ふき くん が、
30才の時点で「1億円」を
貯金した
とします。




今の時代の
「30才で 1億円の貯金」
といえば、

贅沢をしなければ、
ギリギリ一生
暮らしていける
ほどの、
シッカリした大金 です。




ところが、
これが 30年後

ふき くんが
定年になった頃
に…




世の中の お金の価値が
変動
して、

『今の価値の 10分の1』に
なってしまった

としたら…

どうなるでしょう?





「どうなるでしょう」
へったくれも ありません。


自分の「1億円」が、
なぜか『1000万円』に
ちぢんでしまった

も 同然です。







今の世の中、
「1年間」暮らすのに
数100万円ほどは必要

なので、

1000万ぐらいの貯金では、
せいぜい「5年」もてば
良いほう
では
ないでしょうか…?



つまり、
「年金」を考えなければ、

定年して 5年後には、
「無一文」になってしまう

わけです。



そんな
未来の自分を想像して、

ふき は、ゾッと
震えあがりました。







もちろん、

「10倍もの 価値変動」
そう簡単に起こるとは
思えません。




でも、
先ほどの ミューラー
たとえ話は、

「30歳の時点で、
1億円を貯めていたとして」

という 破格の前提で
語られたものです。





普通のサラリーマンなら、
「2000万円」ぐらい貯めるのも
困難 極まりない
はず…


そして、
2000万円1000万円の価値に
下がるのには、


ほんの
『 2分の1の 価値変動 』

事足りてしまいます。




それは、
結構 簡単に起こりうる事態
と 言えるのではないでしょうか?







そして、
先ほど話したとおり、

そうした事態は、
近年の日本で、
実際に起きている

のです。




「今の貯金」は
必ずしも『将来の保障』に
なってくれるとは限らない


という事実が、

ふきにも、ジワジワと
理解できてきました。


  



【下へ 続きます】



【広告】

 



『お金の価値は、世の中の流れや
誰かの都合によって、
変えられてしまう』





もちろん、

お金の価値は
「下がる」ばかりでは
ありません。



時には 「上がる」ことも
ありうる
のです。






でも、お金の価値が
国内で ゆるやかに
下がっていく
のは、

その国の経済が、
安定して成長している証拠

でもあるそうです。



逆に
「お金の価値が上がる」のは、

その国自体が 衰退 して
きているわけで、

むしろ 将来的には
『危険』な 傾向

なのです。






何より 困ったことには、
そうした
「お金の価値の 変動」は、

「世界経済の動き」や、
「政治家さんたちの考え・都合」
によって起こってくるもの
なので…




『個人レベル』では
どうしようも ありません






「貯められる」ことが、
お金の利便性の1つ

なのに、

『 その価値が 必ずしも、
長期的に約束されたものではない 』

という点が…




『お金』という道具の
矛盾であり 難しさ

ではないでしょうか?






ようは、あんたが
必死こいて貯金 しても、

世の中の おっきな流れ
どこぞの 誰かさんの都合1つ
簡単に壊れちゃう「しあわせ」が、

『お金』ってものらしいよ?




ご愁傷さまだったね、

ふき






そんな ネック の言葉も
耳に入らないのか、

ふき は 震える手で、
預金通帳を開きました。





先ほどまで
あんなに輝いていた
通帳の預金額
が、

一瞬、
「ただの無意味な 数字の羅列」
見えたような気がして、


ふき は あわてて目をつぶり、
頭を強くふりました。


  



【下へ 続きます】



【広告】

 





[章の 目次 に戻る]