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第2章『それって、しあわせ?』→ 『健康』であれば、本当に幸せ? |
結局、 ふき の語ってきた しあわせ の 数々は、 ほとんど 完膚なきまでに ネック と ミューラー に 否定されてしまった かたちになります。 もちろん、 ネック や ミューラー は、 「否定」だけが目的では 決して なかったのでしょうが、 ふき にとっては、 今まで 自信を持っていた、 『数々の しあわせ』の「穴」を 一度に大量に 見せつけられてしまったわけで… そのショックは 相当に大きなものでした。 そんな ふき が、力なく、 長ーい ため息を はいていたところ、 ネック が こんなことを 言い出しました。 | |
ふき ? これで あんたの言ってた 「しあわせ」は、 全部だっけ? | |
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…そうですよ? ネックさん。 まさか ここまで コテンパンにされるとは、 思ってませんでしたけど… | |
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そうだっけ? あんた、 前に自分が語ってた 「しあわせ」を、 1つ 言い忘れてる と 思うけど? | |
ふき が キョトン顔で、 ネック を見つめました。 | |
「健康」だよ、 『 け・ん・こ・う 』。 | |
その言葉に ミューラー が、 「ほぉ」と、 興味深そうな顔になりました。 | |
たしかに 「健康を保つこと」は、 生きる上において、 かなり大切な 要素ですよね。 | |
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「仕事」などをして お金を稼ぐにも、 他の人たちとスムーズに 「お付き合い」するためも、 そして、 「自分の夢」の実現に向かって 前に進むためにも… | |
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1にも2にも、 『健康であるかどうか』が、 大きく 関係してきます。 | |
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ふき も、 似たようなこと 言ってたよね〜 | |
ネック に そんなふうに言われて、 ふき は ちょっと照れて、 頭をかきました。 ミューラー は、 深く うなずきながら、 こう 続けました。 |
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かくいう 私たち 「人間さん以外の動物」 にとっても、 「健康であるかどうか」は 大変に重要 です。 | |
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人間さんたちと違って、 「蓄え」というものを ほとんど持てない我々は、 ケガや病気が、 そのまま『死』に 直結してしまう ことが 本当に多いからです… | |
ふき にとって この話は、 ありました。 というのも、ふき自身、 公園で1日中 気楽に 散歩や昼寝をしている ノラ猫たち や、 その翼で ゆうゆうと 大空をかける鳥たち の 姿を見て、 「うらやましい…」 と思ったことが、 一度や二度ではなかった からです。 でも、 人間の目には 気楽で自由 に見える 動物たちの生活も、 見方を替えれば、 ちょっと 健康を害しただけで、 アッというまに 「蓄え」が尽きたり、 ケガが治らなかったりして、 あっけなく 死に至る… そんな、 「死」が、珍しくも なんともない日々 でもあるのです。 薬 や 医療機関 に 囲まれた社会で生きてきた 「人間」である ふき には、 ちょっと 想像のできない 過酷な世界 とも 言えそうです。 |