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第2章『それって、しあわせ?』→ 『恋人』がいれば、本当に幸せ? |
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ただいま〜。 いや〜、 楽しかったな〜〜。 | |
そんなことを言いながら、 ニコニコ顔で リビングに 入ってきた ふき を、 ネックは、 ニヤニヤしながら… ミューラーは、 ちょっと 困ったような顔 で、 迎えました。 | |
…ど、どうしたの、 2人とも? | |
当惑する ふき に、 ネック が 鼻で笑いながら、 こう言いました。 | |
『デート』 お疲れさん、ふき。 あんたの 『かけがえのない彼女』、 ジックリと 見せてもらったよ? | |
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…にしても、 あんた、よく あそこまで 彼女に 気を使って ヘコヘコできる よね。 「恋人」っていうより あの女の『家来』 にしか 見えなかった んですけど。 | |
ふき は、のどの奥から 「グガッ」と 意味不明の悲鳴を上げて、 そのまま 30秒ほど 硬直してしまいました。 | |
実は 今日、 ふきくん の いない間に、 『かみね』さん が いらっしゃったのです。 | |
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ふきくん が デートに 行っていることを 伝えたところ… 『人間さんの デートというものを、 ぜひ 見たいです』 と、おっしゃって… | |
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それで、『神通力』… と言うのでしょうか? かみねさんの 不思議な力で、 デート中の ふきくん の 姿を、 このリビングに 映画のように 映し出して… 我々 3匹で、 デートの 一部始終を 拝見させていただいた のです。 | |
ふき は ショックで、 意識が スーー… と 消えかけました。 が、「いちいち気絶されては厄介」 と 判断した ネック が、 すかさず 弁慶の泣き所に ツメを一閃 したので、 絶叫 とともに 覚醒することができました。 | |
…て、てか 何なの?? その 『かみねちゃん』って? | |
「足の痛み」と、 「デートでの みっともない姿を 見られた悔しさ」で 半泣きに なりながら、 ふき は たずねました。 | |
私や ネックさん に、 『人間さんたちのような 高度な知能』を 与えてくださった、 「キツネの おじいさん」 という 神さまが いらっしゃるのですが… | |
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その方のもとで 「お弟子さん」をされている、 キツネの 娘さん です。 素直な、 愛らしいかた ですよ? | |
「素直」なのは良いけど、 「覗き」の 欲求も 抑えられないような 素直さ は、ちょっとなぁ… と、やや不快になった ふき でしたが… ふと、 先ほど ネック が 発した言葉 が 脳裏に よみがえってきて、 「あっ!」と 声を上げました。 |