■ 恋は、一生続く可能性のある人間関係(2/5)





当初は、「恋というものが
よく分からない」 ネック が、

なにか勘違いをおこして
ふき が 家来みたいだ」 と
悪口を言ったのだとばかり
思っていた ふき でしたが…


すでに所帯を持っている
ミューラー まで、
同様に感じた
となると、

さすがに ちょっと
立ち止まって考えざるをえません…








ただ、ふきには、
サッパリ意味が
分かりませんでした。


たしかに、ふき が今
付き合っている彼女は、

知り合いなどに
写真を見せたときにも、
ちょっとした驚きを
さそえるほどの美人
です。



彼女は 会社の同僚 ですが、

ふき自身、かなり無理をして
機会をうかがい、

たまたま前の彼氏と
別れた直後のタイミングに
声をかけたのが功を奏して、

なんとか今の関係を
スタートさせることができた形で…



どちらに イニシアチブ (主導権)
があるか? と聞かれれば、

正直、「彼女」 でしょう…






とはいえ、恋愛なんて
そんなものではないでしょうか?





少なくとも、ふき
そう思いながら

月2〜3回ぐらいのペースで
彼女とデートしつつ、

すでに半年が
過ぎようとしていました。




そして、彼女とデート
しているときの ふき は、

なにか、周りの人間…

特に、『彼女のいなさそうな
同年代の男』 に対して、

なんともいえない 優越感
ヒシヒシと感じている
のです。



だから ふき は、

『この感じこそ、間違いなく
自分が 「幸福」 である証拠だ!』





と、今まで強く
信じてきたのですが…



ミューラー たちは、
そんなふうには
思っていないのでしょうか?







見ていて感じたのですが、

ふきくん、

すごく相手の女性に
気を使っておいででしたよね…



ミューラー が、
心配そうに たずねました。





ったく、

見てて イラッイラ
させられたわ…


あの人間のメスは メスで、
ほとんど あんた関係なしに、
スマホいじって遊んでる
し、

あんたは あんたで、
『あっしは お嬢様の
下僕でごぜえますだ』
みたく ペコペコしてる
し…



ネック が、
はき捨てるように言いました。




め、「メス」ってなんだよ!?


てか、彼女がスマホいじってたのは、

オレといっしょにいるとき、
そんだけ 「リラックスしてる」って
証拠じゃないか!


ネックさん は 物事を
悪いほう悪いほうに
考えすぎるんだよ!





あーらあら、
それはそれは。

あたしも、ふき ぐらい
『バカげたプラス思考』
で生きれたら、

さぞや 悩みがゼロで
楽な人生だったでしょうね〜。






一触即発の
白猫と人間のあいだに、

「ま、ま、ま…」

    


と、あわてて ミューラー
仲裁に入りました。






たしかに、
「男女の仲」 というものは、

他人には分かりづらい
ものがあります。


ましてや私たちは、
トンビ と 猫…

人間さんたちの恋愛とは、
感覚が違うところもあるでしょう。




んー、まあ たしかに、ね。

あたしは、避妊手術も
してるしねぇ。




ん?

「ヒニン… シュジュツ」…??




ミューラー
初耳だったらしく、

目をパチクリとさせました。



そして、ネック から、

人間と生活している
ペットの動物の中には、

「避妊手術」 というものを
受けるケースがあること…


ネック自身にも、それが
施されていること
を聞いて、

ずいぶん驚いておりました。







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