★ かみね の 旅立ち(1/3)





ここは、
ある 公園 の片すみ…


静かで さわやかな林が
広がっている一画です。








その林の中に、
古くて小さな社(やしろ)が 1つ、

ぽっつり と
建っておりました。



近くを通っても、
気づかずに 通りすぎてしまう
人も多い、

そんな小さな社の
敷地の中…


正確には、
社の屋根の上 から、

なにやらポソポソと
「話し声」が聞こえてきます。



おじいさん孫娘
会話しているようにも
聞こえるのですが、

不思議なことに、

なぜか その2人の姿が
見えないのです。







では、頼んだぞ? かみね


お前にとっても、
きっと「良い経験」に
なると思うでな…?




まっ、まかせてください、師匠!

かみね、必ずや、

師匠の ご指導に報いますっ






声のするほうに
よくよく目をこらしてみると…



あ! 見えます 見えます。



透明な なにかが
動くたびに、

その表面が、
風に ゆれる水面のように、
チラリチラリと光っている
のが 分かります。




あれは… 犬? 

いやいや、
あの大きなシッポは
キツネ のようですね。




お稲荷さんに宿る
「神さま」のような、
不思議な生き物である
キツネの おじいさん と、

その弟子である
若いメスギツネの
かみね が、

なにやら、お仕事の話を
しているようです。


  






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