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第3章『しあわせ の「正体」』→ かみね の 旅立ち |
ここは、 ある 公園 の 片すみ… 静かで さわやかな林が 広がっている一画です。 | |
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その林の中に、 古くて小さな 社(やしろ) が 1つ、 ぽっつり と 建っておりました。 ほとんどの人たちが、 近くを通っても、 気づかずに 通りすぎてしまう そんな小さな社の 敷地 の中… 正確には、 社の屋根の上 から、 なにやら ポソポソと 「話し声」が 聞こえてきます。 おじいさん と 孫娘 が 会話しているようにも 聞こえるのですが、 不思議なことに、 なぜか その2人の姿が 見えないのです。 | |
では、頼んだぞ? かみね。 お前にとっても、 きっと「良い経験」に なると思うでな…? | |
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まっ、まかせてください、師匠! かみね、必ずや、 師匠の ご指導に報いますっ | |
声のするほうに よくよく目を こらしてみると… あ! 見えます 見えます。 透明な なにか が 動くたびに、 その表面が、 風に ゆれる水面のように、 チラリチラリと光っている のが 分かります。 あの形は… 「犬」? いやいや、 あの 大きなシッポ は 『キツネ』のようですね。 お社に宿る 「神さま」のような、 不思議な生き物である キツネの おじいさん と、 その弟子である 若いメスギツネの かみね が、 なにやら、お仕事の話 を しているようです。 かみね は、 自分より少し高い位置に 浮いている おじいさんギツネ の前に 正座して、 自分に与えられる 指示 や 任務 に、 真剣に 耳を傾けております。 | |
でもでも 師匠! かみね、感激です! ついに あたしにも、 『初仕事』が… | |
言っているそばから 早くも涙ぐんでいる かみね を、 年老いたキツネは、 「これこれ」と いさめるように、 その前足で 彼女の頭を なでるのでした。 |