サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第3章『しあわせ の「正体」』
かみね の 旅立ち


■ かみね の 旅立ち(1/2)

『2匹の 神さま』


執筆日 2018年 03月02日   最終更新日 2020年 01月12日





ここは、
ある 公園 の 片すみ…


静かで さわやかな林が
広がっている一画です。



   





その林の中に、
古くて小さな 社(やしろ)
が 1つ、

ぽっつり と
建っておりました。




ほとんどの人たちが、
近くを通っても、
気づかずに 通りすぎてしまう

そんな小さな社
敷地 の中…



正確には、
社の屋根の上 から、

なにやら ポソポソと
「話し声」が 聞こえてきます。




おじいさん孫娘
会話しているようにも
聞こえるのですが、

不思議なことに、

なぜか その2人の姿が
見えないのです。







では、頼んだぞ?
かみね


お前にとっても、
きっと「良い経験」
なると思うでな…?





まっ、まかせてください、師匠!

かみね、必ずや、

師匠の ご指導に報いますっ






声のするほうに
よくよく目を
こらしてみると…



あ! 見えます 見えます。




透明な なにか
動くたびに、

その表面が、
風に ゆれる水面のように、
チラリチラリと光っている
のが 分かります。




あの形は… 「犬」? 


いやいや、
あの 大きなシッポ
『キツネ』のようですね。




お社に宿る
「神さま」のような、
不思議な生き物である
キツネの おじいさん と、

その弟子である
若いメスギツネ
かみね が、


なにやら、お仕事の話
しているようです。


  






かみね は、

自分より少し高い位置に
浮いている
おじいさんギツネ の前に
正座して、


自分に与えられる
指示 や 任務 に、

真剣に
耳を傾けております。





でもでも 師匠!

かみね、感激です!

ついに あたしにも、
『初仕事』が…





言っているそばから
早くも涙ぐんでいる
かみね を、


年老いたキツネは、
「これこれ」と いさめるように、

その前足で 彼女の頭を
なでるのでした。










[章の 目次 に戻る]