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第3章『しあわせ の「正体」』→ かみね の 旅立ち |
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お前は あまり 好いていないようじゃが… あの「ネック」という 白猫は、 口こそ悪いが、 意外に 考え深い仔 じゃ。 | |
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「ミューラー」の 勤勉ぶり は、 一緒について学んだ お前が、 誰より一番 よく知っておろう… | |
キツネ の おじいさん の 言葉に、 かみね は 小さく うなずきました。 | |
そして、 あの ふき という 人間も、 やがて必ず、 「あの日」のことを 思い出すはずじゃ… | |
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ミューラー からも 聞いての通り、 その詳細を お前に話してやれんのは 酷(こく)だとは思うが… | |
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ふき が 「その瞬間」に 辿り着けるよう、 お前も、シッカリと 手助けをしてやるのじゃぞ。 | |
師匠に 頭を なでられながら、 かみね は 何度も袖で顔をぬぐい… やがてシッカリと その前足をにぎり返して、 頭上の師匠に 誓うのでした。 | |
はい! かみね、 立派に 師匠の代わりを 務めてまいりますっ | |
キツネの おじいさん は、 満足そうに うなずき、 そして、 思い出したように たずねました。 | |
そういえば、 ふき の 住居の場所 は、 もう 正確に 憶えられたかの? 先日、すでに一度 たずねてみたとは 言っておったが… | |
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はい。 ふきさん の 住む街は、 ものすごく たくさんの 人間さんたちの お家や道路があって、 とても複雑 なのですが… | |
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かみね、 ちゃんと 『ナビゲーター用の アプリ』 を 使いながら 訪問しておりますから、 ご心配には 及びませんっ | |
かみね は そう言うや いなや、 袖の中に入れていた 『スマートフォン』 (みたいなもの) を 取り出し、 師匠を 仰ぎ見ながら、 うれしそうに 「地図アプリ」の 使い方を 説明しはじめるのでした。 | |
( 並外れた『神通力』を 持っておるのじゃから、 自分の能力で調べたほうが 早いと思うのじゃが… こういう ミーハー なところが、 どうにも 理解に苦しむ子じゃわい… ) | |
キツネの おじいさん の 困り顔にも気づかず、 かみね の スマホ談議 は 続きます… 2月の 晴れた公園には、 ゆるく おだやかな風が、 流れておりました。 | |
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