★ かみね の 旅立ち(2/3)





かみね は、

自分より少し高い位置に
浮いている
おじいさんギツネ の前に
正座して、


自分に与えられる
指示 や 任務 に、

真剣に 耳を傾けております。





でもでも 師匠!

かみね、感激です!

ついに あたしにも、
初仕事が…





言っているそばから
早くも涙ぐんでいる
かみね を、

年老いたキツネは、
「これこれ」と いさめるように、

その前足で 彼女の頭を
なでるのでした。





あの ネック という白猫は、

口こそ悪いが、
意外に 考え深い仔じゃ。


ミューラー の 勤勉ぶりは、

一緒について学んだ お前が、
誰より一番
よく知っておろう…





そして、
あの ふき という人間も、

やがて必ず、

「あの日」のことを
思い出すはずじゃ…





ミューラー からも
聞いての通り、

その詳細を
お前に話してやれんのは
酷(こく)だとは思うが…


ふき「その瞬間」
迎えられるよう、

お前が、シッカリと
手助けをしてやるのじゃぞ。





師匠に 頭を
なでられながら、

かみね
何度も袖で顔をぬぐい…



やがてシッカリと
その前足をにぎり返して、

頭上の師匠に
誓うのでした。






はい!

かみね

立派に 師匠の代わりを
務めてまいりますっ






[章の 目次 に戻る]