サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第3章『しあわせ の「正体」』
見習い神さまは キツネ娘


■ 見習い神さまは
キツネ娘(1/4)


『土曜の朝の、訪問者』


執筆日 2018年 03月02日   最終更新日 2020年 01月12日





あの あのっ!
おはようございますっ!

ふ、ふきさん の
お住まいは、

あの、こちらで…
よ、よろしいでしょうか !?





土曜の 午前は、
今日も 上天気です。



あたたかい布団の中で、
ダラダラと寝起きの時間を
つぶしていた ふき は、


玄関のドアの
向こうから響いた
愛らしく やわらかい
女の子の声
に、

キョトンと
してしまいました。






ふき には 今、
付き合っている彼女
いますが、

こんなに 優しい声 では
ありませんし…



そもそも
「顔見知り」の彼女が、

「ここは ふきさんの
お住まいですか?」
なんて
聞くはずがありません。





まさか、

おかしな「勧誘」か
何かでは…??





部屋の中を見渡せば、
白猫ネック は、朝の散歩 に…




トンビ紳士の ミューラー も、
朝の運動 に 飛び立っていて、





マシンョンの自室で
久しぶりに1人きりに
なっていた ふき は、

不安で顔を
こわばらせました。






ただ、すぐに、



…いやいや、

たとえば、
街中で オレを見かけて
一目ボレ しちゃった子が、

勇気をふるって
会いに来てくれた


という可能性も
捨てきれないよな〜



などと、

変なプラス思考
はたらかせて、

勝手に ウキウキ状態
なったりもしました。




でも、たしかに、

扉の向こうから
聞こえてくる声
には、

ふき に そんな思いを
抱かせてしまうような、

不思議な「魅力」
あったのです。





はい!はい! そうです!

ここは ふき の家で
間違いありません!


お待ちください!
すぐに用意して 出ますんで!





ふきは、玄関に向けて
声を はり上げると、

大あわてで
洗面所に駆け込み、

顔を洗い、歯をみがいて、

タンスの中から、
できるだけシワクチャじゃない
外行きの服を選んで 着こみ…




玄関のドアの前に立つと、

興奮で ちょっと
ふるえる手で、

そのノブを回したのでした。










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