サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第3章『しあわせ の「正体」』
見習い神さまは キツネ娘


■ 見習い神さまは
キツネ娘(2/4)


『しゃべる キツネが、
やってきた』





ふき が 勢いよく
玄関のドアを開けると、





そこには、

ちょっと変わった
巫女服のようなものを着た、


小柄な娘さん
立っておりました。




その子は、
ふき の 姿を確認すると、

パッと安堵の笑顔
見せるも、

すぐに 恥ずかしそうに
うつむいてしまいました。






すらり と のびたヒゲと、

やわらかく左右に
ふられているシッポが…

いやはや…

実に 愛ら… しい…










その子を見おろしている
ふき の 顔から、


先ほどまでの興奮
しゅわしゅわ〜
揮発していきました。









その時、

ふき の 背後の
開け放してある窓 から、

空気をあおぐ
フワン とした音が、

部屋の中に軽やかに
入ってきました。



トンビ紳士の、ご帰宅 です。





おや? ふきくん。

玄関の お掃除ですか?




玄関に立ちつくしている
ふき を 見つけて、

ミューラー
ニコニコ顔で
歩いてきます。





いや、その…


「しゃべる 猫」
「しゃべる トンビ」
に 続いて…


今度は
『 しゃべる 犬 』が…





唖然とした表情のまま
ポツポツと つぶやく
ふき の 言葉を聞いて、


うつむいていた 娘さんが
ハッと顔を上げて、
大あわてで 訂正しました。




あ、あの、あの、
違います!

私、『キツネ』なんですっ


ふきさん のもとで
修行させていただきたくて
うかがいました!




「修行」という
意外な言葉に、

今度は ふき のほうが
大あわてになりました。




し、修行って…?

オレ、何か君に
教えられるようなこと、
あったっけ??



あの、えと…

違うんですっ
違うんですっっ




キツネ娘は 動転して、

前足で「グー」をつくり、
内股ぎみの両足を
高速で足踏みさせながら、

半泣きになっています。






その時 ふと、
ふき の 脳裏に、

先日の ミューラーたちの
言葉が よみがえりました。




『「キツネ の おじいさん」
という方のもとで、

お弟子さんをされている、
キツネの娘さん』…




たしか 名前は…








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