★ 見習い神さまは キツネ娘(2/5)





はい!はい! そうです!

ここは ふき の家で
間違いありません!


お待ちください!
すぐに用意して出ますんで!




ふきは、玄関に向けて
声をはり上げると、

大あわてで
洗面所に駆け込み、

顔を洗い、歯をみがいて、

タンスの中から、
できるだけ
シワクチャじゃない
外行きの服を選んで着こみ…



玄関のドアの前に立つと、

興奮で ちょっと
ふるえる手で、
そのノブを回しました。










…そこには、

ちょっと変わった
巫女服のようなものを着た、

小柄な娘さん

立っておりました。



その子は、
ふき の姿を確認すると、

パッと安堵の笑顔を
見せるも、

すぐに 恥ずかしそうに
うつむいてしまいました。





すらり と のびたヒゲと、

やわらかく左右に
ふられているシッポが…

いやはや…

実に 愛ら… しい…









その子を見おろしている
ふき の顔から、

先ほどまでの興奮が
しゅわしゅわ〜
揮発していきました。









その時、
ふき の背後の
開け放してある窓から、

空気をあおぐ
フワン とした音が、

部屋の中に軽やかに
入ってきました。



トンビ紳士の、ご帰宅 です。





おや? ふきくん。

玄関の お掃除ですか?




玄関に立ちつくしている
ふき を見つけて、

ミューラー
ニコニコ顔で
歩いてきます。






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