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第3章『しあわせ の「正体」』→ しあわせを『無限化』してみよう |
一方の ミューラー は、 大あわてで、 こう 釈明しました。 | |
い、いやいや、 かみねさん! 私たちも 決して、 ふきくん を やり込めようとして、 そんな話をしてきた わけでは ないのです。 ただ… | |
最後の 「ただ…」に 反応して、 ふき が 怪訝(けげん)な 顔つきで、 かみね が 涙に うるんだままの目で、 トンビ紳士 の 顔を 見つめました… | |
ふきくん が 私たちに主張されていた 「しあわせ」は、 「しあわせの 本体」 では無かった のです… 『 しあわせの 本体 』 から のびている「枝葉」 ばかりだったんですね。 | |
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それで 私は… おそらく ネックさん も、 その点を ふきくん に 気づいていただく ために… | |
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彼の主張する「しあわせ」の 『穴』を 1つ1つ、 指摘させていただいていた わけなのです。 | |
てっきり、 自分の幸福観を 単純に『否定』されて いるだけ だと 思いこんでいた ふき には、 これは、 「寝耳に水」でした。 しかし、それ以上に 気になったのは… | |
『 枝葉 』… というのは どういう事ですか…?? ミューラーさん? | |
ふき が 感じた疑問を、 かみね が そのまま 口にしてくれました。 | |
はい。 たとえば 植物 にとっては、 「枝」や「葉っぱ」も もちろん 大切なもの ではありますが… | |
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それらは 元をたどれば、 『 幹(みき)』から 生えているもの です。 | |
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何かの物事を思考したり 行動するときも、 「幹」… つまり、 物事の『 本体 』を 直視して 言動しなければ、 『 本質 』を 見誤ってしまう… | |
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どんなに 正しそうに見えても、 必ず どこかに、 「穴」や「矛盾」が 発生してしまう ものなのです。 | |
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実際、 「穴」と「矛盾」だらけ だったもんねぇ。 ふき の『しあわせ』は。 | |
ネック が そんなふうに 茶化しましたが、 『 枝葉 』という言葉に、 ショックと同時に ガゼン 興味の わいてきた 今の ふき には、 聞こえていないようです。 |