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第3章『しあわせ の「正体」』→ もし『若さ』が 無限に手に入ったら? |
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それでは、 これまで ふきくん の 感じていた「しあわせ」を、 1つ1つ 順に 『無限化』 していこうと思います。 | |
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てか、ミューラー。 『無限化』 って 何なのか、 まず そこんとこを、 あたしたちに 説明しなさいよ。 | |
ネック の言葉に、 ふき と かみね も 「うんうん」 と 忙しく うなずきました。 | |
「無限化」とは、 『それが 無限に 手に入る状態』 を 考える、 「思考実験」のことです。 | |
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…と、 いや、すみません。 この名前は、 私が勝手に考えて 付けたもの なので、 皆さんが ご存知ないのも 無理ない お話ですよね。 | |
この言葉を聞いた ふき と かみね は、 同時に ホッ と 安堵の ためいきを つきました。 どうも この2人は、 知識や 受け取り方のレベル が よく似ているようですね。 | |
ふきくん が 最初に 主張されていた 「しあわせ」は… たしか『若さ』に 関してでしたね。 | |
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そ、そうです。 | |
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それでは 今から、 『「若さ」が無限に 手に入る状態』を 考えてみましょう。 | |
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それは、 どんな状態だと 思いますか? ふきくん。 | |
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む、『無限の若さ』 ですか?? う〜〜ん… | |
当然ながら、 今まで そんな事を 考えたことも無かった ふき は、 腕組みをして、 首をナナメに傾けたまま、 硬直してしまいました。 その横で かみね も、 前足を口元に持っていって、 しきりに 首をかしげています。 それを見た ネック は、 「ふふん」と 鼻で笑いました。 | |
やっぱ ふき って、 こーゆー考え方が 苦手だよね〜 「若さが 無限に手に入る」 ってことは、つまり… | |
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『ずーっと 若いままで いられる』 って 事でしょ? 『時間が止まった』 みたいなものだよね。 | |
ふき と かみね が、 同時に『あっ!』と 叫んで 顔を上げました。 |
ネック の 回答に、 ミューラー は ニッコリ笑って、 「うんうん」と うなずいています。 | |
さすがは ネックさん ですね。 おっしゃられる 通りです。 | |
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「若さが無限に手に入る状態」、 「ずーっと、若いままで 自分が固定してしまう状態」を、 強いて表現するならば、 その人は いわば、 「時が止まったようなもの」… | |
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『永遠に、変化も成長も しない状態』 に なるのでは ないでしょうか…? | |
( なるほどなぁ、 そういうふうに 考えるのか… ) ふき にも、 ほんの ちょっとだけ、 『無限化』というものが 見えてきました。 | |
ちなみに、 「若さが無限に保たれた」上に、 「人間的成長まで可能」 としてしまうと、 その人は、 フィクションなどで語られる 『不老不死』と 呼ばれる 存在になるのでしょうが… | |
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それでは、 「思考実験」とはいえ、 あまりにも 非現実的すぎる と言いますか、 都合が良すぎ ますから、 今回は 除外して 考えましょう。 | |
そういえば 先日、 ネック は 言っておりました。 『若さは「宝くじ」みたいな ものよね』と。 でも、 自分の中の時間(成長)が 止まってしまうというのは、 「当選発表日が 永遠に来ない 宝くじ」 を 持ち続けるのも同じこと… 仮に「若さ」が 無限に 手に入った としても、 それだけでは、 「しあわせ」になれるとは かぎらない わけです。 | |
この事から、 「若さ」は あくまで、 『本当の しあわせ』 から生えている 枝葉の1つ に すぎない… | |
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『しあわせの本質 ではない』 と 考えられるのでは ないでしょうか? | |
ミューラー は、 そのように 結論づけました。 |
…ただ、ミューラー は その後に、 このようにも 補足しました。 | |
もちろん、 『だから 若いことは 「しあわせ」とは まったく無関係なのだ』 というわけでは 決して ありません。 | |
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『若さ』という 生物的な活力に あふれている時期 に、 いかに「将来」に向けての 準備・下積みをするか によって、 『未来の「しあわせ」を 得る可能性を、 自ら 変動させられる』… | |
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「しあわせ」本体では ありませんが、 幸せを得られる 可能性を左右できる 『状態の1つ』だと、 私は思うのです。 | |
今までの ふき が、 「若さ」に対して 漠然と感じていた魅力 も、 きっと、そんな所に あったのでしょう。 | |
『若さは、あくまで 「可能性」で、 「価値」じゃない んだからね』… | |
先日の ネック の 「しめの言葉」が、 今度こそ シッカリと、 ふき の 胸に 突き刺さりました。 | |
『無限化』って、 なかなか 面白いじゃない。 ミューラー。 | |
そんなふうに ネック に褒められて、 トンビ紳士は 頭をかいて恐縮し、 | |
さ、さぁ。 それでは 次に参りましょう! | |
と、ふき に 先を うながしたのでした。 |