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第3章『しあわせ の「正体」』→ もし『恋』が 無限に手に入ったら? |
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今日の、無限化は… 『恋』についてかぁ… | |
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どうか されましたか、 ふきくん? お元気が 無いようですが… | |
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最近、 彼女から 連絡が無い んですよ… | |
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ふーん、 そりゃ きっと、 先日の『覗き』が バレたんだねぇ。 かみね も、 罪なこと したもんだ。 | |
そばにいた かみね が、 ビクッ と 体を震わせ、 真っ青になって 硬直してしまいました。 | |
んなわけ ないだろ! 僕の彼女は 普通の人間なんだから、 「神通力」で 覗かれてた ことなんか 気づかないよ! 僕だって 全然 気づかなかったんだし… | |
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しかし、 それでは なぜ、 連絡をしてくれない のでしょう…? | |
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あれじゃない? 『君の誕生日に、 いっしょに 旅行を』 とか ふき が 言い出したから、 さすがに彼女も、 ヒイちゃった んでしょ? | |
ふき が、 ビクッ と 体を震わせ、 真っ青になって 硬直してしまいました。 でも、 時期的に考えると、 たしかに あの一言が 引き金に なっている ように、 ふき にも 思えるのです。 かみね が 読み取っていた、 ふき の 彼女の心は、 デート中も「うわの空」 だったそうですし… 寂しいけれど、 ふき が 一方的に彼女に 舞い上がっていただけで… 彼女にとっての ふき は、 「本命が現れるまでの つなぎ」程度の 存在だったのでしょう。 | |
くじけないで… ふきくん。 ふきくん にも必ず、 わたしにとっての 「妻」のような、 『一生を共にする価値 のある女性』が 現れる日が、 きっと 訪れますよ。 | |
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うん、そうだね… じゃあ、 とりあえず、 『恋』の 無限化 を やっちゃおうか… | |
と、ふき が 答えたところ、 ミューラー は キョトンとして、 こう言ったのです。 | |
え? 『恋の無限化』の結論 は もう 出ていますよ? ふきくん。 先ほどの 私の言葉の中 に… | |
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は ?? | |
今度は、ふき のほうが キョトンとする番でした。 |
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「無限に 恋をする」… それは いわば、 『異性に対して、一生涯 恋い焦がれること』です。 | |
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でも、 わたしたちを含め、 人間さんたちの ほとんどは、 『一夫一妻』ですよね? という事は…? | |
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『 特定の1人の異性を、 一生涯 愛し続ける 』 ことが、 『無限の恋』 ということですね? | |
かみね の 回答に、 ミューラー が ニッコリと うなずきました。 | |
もちろん 現実には、 相手も生物である以上、 必ず「一長一短」がある わけですから、 『一生、相手の 全ての面において尊敬し 愛し続ける』… といったことは、 100% 起こりえません。 | |
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でも もし、 相手とともに自分も、 お互い 人間的に成長 しながら、 常に お互いに 尊敬の念をもって (愛し合って) 生きていける としたら… | |
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その人の一生が、 どれほど『しあわせ』に 満ち満ちたもの になるか、 ちょっと はかりしれません よね。 | |
『恋』それ自体は 「しあわせの本体」 ではないけれど、 そうした恋心を 持ち続けられるような 価値のある異性と出会い、 結婚をして、 共に暮らす中で、 相手とともに 成長し続けることが できたなら、 その人生は、 とても深い『しあわせ』に 満ちたものになる … それは、 『恋人の1人も いないなんて、 カッコ悪くって!』 みたいに 世間体ばかりを 気にしていた 先日までの ふき や、 ふき の 彼女だった女性 には、 簡単には辿りつけない 『恋 の 真理』と 言えるかもしれません。 今 思い返してみると、 ふき と 彼女の 付き合いは、 いつも 「目先」ばかりでした。 具体的な2人の『将来』について 話し合ったことなど、 ただの一度も 無かった のです。 心の どこかで 相手を、 「現在の自分の 満たされない心を埋める アクセサリー」程度にしか 思っていなかった 2人にとって、 「恋愛関係」が 自然に消滅した 今の状態こそが、 遅かれ早かれ 訪れることが確定していた 唯一の『将来』 だったように、 今の ふき には 思えてならないのでした… | |
ドンマイだよ? ふき。 | |
ネック が めずらしく そんな なぐさめを言って、 前足で、 ふき の 横腹あたりを 軽く グーパンチしました。 でも 今の ふき には、 不思議と 寂しさよりも、 胸の中がスッキリ したような感覚 があるのです。 それは、 「自分は恋をしている!」 と思い込んでいた 勘違いの 停滞 から、 結果的とはいえ 「1歩」を 踏み出せた ことへの、 「小さな誇り」から生まれる さわやかさ なのかもしれません。 |