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第3章『しあわせ の「正体」』→ もし『将来の夢』が 無限に手に入ったら? |
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次の、ふき ご自慢の 「しあわせ」は、 『夢』について だっけ? たしか、 「プランターに なりたい」 とか 言ってたよね? | |
「プランター」じゃなくて 『プランナー』(企画者) ですよ、ネックさん… といった指摘は、 自分の身に 危険 が ふりそそぐので、 やめておいた ふき でした。 どんなに賢そうに 振るまっても、 こんなとこは 所詮「猫」だよなぁ。 という 優越感も ありましたし… | |
「ぷらんたあ」って 何ですか? | |
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英語で、 『植木鉢』 のことだよ? | |
知っとったんかい!? かみね の質問に 事もなげに答える ネック を見て、 ふき の 今までの優越感は 一瞬で崩壊しました。 どこまで 他人をからかう事に 長(た)けているんだか、 この 白猫は… | |
さて、 というわけで 今回は 『夢』を 無限化 するわけですが… それは、どんな状態 だと 皆さんは 思われますか? | |
ミューラー の質問に、 ちょっと考えた ふき は、 こんなふうに 答えてみました。 | |
『 いつでも 夢に あふれている人 』 …かなぁ? | |
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なんだか 素敵ですね。 | |
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そお? 『夢だけ抱えて 満足して、 ろくに努力もしないで、 「成功した未来の自分」を 妄想とかして、 ニヤニヤ笑って 生きてるだけの奴』 なんて、 キモすぎ だと 思うんですけど? | |
ネック の 視線が まっすぐ自分に 向けられていて、 ふき は つらくなって しまいました。 |
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私は、『夢』には 大ざっぱに、 2種類 あると 考えています。 | |
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「こうなればイイなぁ」 ぐらいの、 「漠然とした 希望」 に すぎないケースと、 『具体的な 目標』 であるケースの、 2つです。 | |
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前者は、単なる 「フワフワした 希望・願望」 ですから、 たくさんあれば あるほど、 なんとなく 自分の人生が 輝いているような 気持ち になれて、 楽しくて仕方なくなる ことでしょう。 | |
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ただ、そんな代物が どんなに大量に 増えたところで、 結局は いつか、 「具体的な現実」を 直視しなければ ならない瞬間 が訪れ… | |
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その リバウンドで、 かえって 大きな『不幸』を しょいこむ 結果に なりそうな気がしますね… | |
ネック の 視線が まっすぐ自分に 向けられていて、 ふきは なんか 泣けてきました。 | |
一方 後者は、 「自身の努力」無しには 獲得できない、 明確で具体的な『目標』 ですから… | |
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これも、 「無限に持っていた」 としても、 必ずしも「しあわせ」では ない ように思いますね。 | |
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「明確で 具体的」 である分、 『それを 達成できていない、 つらく悔しい現状』も また、 日々 クッキリと 自覚させられてしまう からです… | |
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…ということは、 夢(目標)を たくさん 持っている状態も、 『しあわせではない』… という事でしょうか? | |
かみね が 悲しそうな顔をすると、 ミューラーは、 「いいえ」と 首を振りました。 | |
たしかに、 「しあわせではない」 かもしれません… しかし、 必ずしも『不幸』という わけでもない のです。 | |
かみね と ふき は、 意味が分からず、 キョトン顔になりました。 | |
なぜなら、 『具体的な 目標(夢)』 を 持って、 本気で 具体的に その道を進んだ人 は、 たとえ、 その夢の実現に 失敗 したとしても… | |
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その中で得た 「経験」や「学び」 を 元に、 また 別の『新たな夢』 を 見出した り、 その 新たな夢を 達成させる確率が上昇 したりする からです。 | |
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前者のような、 「単なる夢想に 溺れていただけの人」 とは、 根本的な部分で 異なっている のです。 | |
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もっとも、 人間さんたちは、 これら2つのケースを いずれも『夢』と 称している ので、 両者が混同されやすい わけですが… | |
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かくいう私も、 当初は それに気づけず、 ずいぶんと 混乱して しまったものです。 | |
そういえば このトンビ紳士、 先日、そんなことを 語っておりました。 | |
…てことは、 まとめると どうなんのよ? ミューラー。 | |
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『夢』自体は、 「しあわせの本体」 じゃないけれど、 フワフワした「希望」 じゃなくて、 具体的な『目標』であれば、 自分が「しあわせ」になるための 『足がかり』として機能する 可能性が あるもの… て とこですか? ミューラーさん。 | |
ふき の 言葉に、 ミューラー は しばし キョトン顔に なっておりましたが… やがて、うれしそうに 何度も首をタテに 振りはじめました。 | |
そうです。 その通りです! いやはや… 私、 ふきくんに お株を 取られてしまいましたね… | |
ミューラー は もちろん、 かみね も 満面の笑みで ふき を 見つめています。 ネック も、 ちょっと意外そうな、 でも、まんざらでもない目を、 ふき に 向けていました。 ちなみに ふきは、 先日 ネックたちに 指摘されてから、 本当に少しずつでは ありますが、 自分のゲームアイディアの メモの束を、 パソコンの 表計算ソフトを使って リスト化する作業 を 始めていました。 そうすることで、 今までバラバラだった 自分のアイディアが、 頭の中で整頓 され、 何本か、 ゲーム企画としての まとまりが見えてきた のです。 『夢』の 実現は、 まだまだ 先のようですが、 「自分の しあわせ」 のための 小さな1歩を 踏み出しつつある事 に、 なにか、 手応え のようなものを 感じつつある、 今の ふき なのでした… |