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第3章『しあわせ の「正体」』→ マズローの 欲求5段階説 |
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さて、続いての段階は、 『社会的 欲求』と 『愛の欲求』です。 | |
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これは いわば、 『何かの集団に所属していたい』 『他人と つながっていたい』 という欲求です。 | |
かみね が、 納得したように うなずきながら 言いました。 | |
人間さんたちが 『お友達』を 欲しがるのは、 この欲求の あらわれかも しれませんね。 | |
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『仕事』を 持つのも、 これに関係してるんじゃ ないかな。 自分が社会と つながってる! って 実感があるよ。 | |
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あと『愛』も 重要ではないかしら。 ふきさんも、 彼女に認められたくて 奴隷みたく気を使って ヘコヘコして いらっしゃいましたし… | |
直後に 涙目で つかみかかってきた ふき を、 ネック は ヒラリとかわして 戸棚に飛び乗り、 すましています。 ミューラー は 場を取りつくろうように 空咳をして、 こう続けました。 | |
おっしゃられる通りです。 「自分自身の生存」が 安定 し、 「身の回りの安全」も 確保 された… その結果、興味の対象が 「自分自身」だけでなく、 『他者』にも広がる ようになってくるわけですね。 | |
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最初は 「自分が存在」するだけで 満足 していたものが… 「孤独にポツンと存在」 することに 耐えられなくなってくる… | |
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「1つの欲求の段階」が 満たされるたびに、 「さらに上の段階の欲求」 へと 自然に登り… その範囲が 「個人」から「集団・社会」 へと 広がっていく… | |
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自分の欲求が、 より高次元な、 より複雑なものへと 自然と移行していく のは、 当たり前のように見えて、 実は、とても不思議で 見事な仕組み と 言えるかもしれません。 | |
ミューラー が、 しみじみと語る話に、 ふき も『生物の不思議』を 感じずには おれませんでした。 そして、 ミューラー の 言っていた 思考実験『無限化』は、 『マズローの 自己実現理論』 の 変形 という言葉の意味も、 じょじょに分かって くるのでした。 ある欲求(幸せ)が 満たされた (「無限化」のような状態になった) からこそ、 『自分の中の価値観や視点が 高度化・複雑化』し、 さらに上の段階の 欲求(幸せ)を 目指す ように変化する… それが、 私たち生物の心 だったのです。 |