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第4章『「DNAの生存本能」で「しあわせ」を考える』→ DNA の 生存本能で、『お金』を考える |
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次は、 『お金』だっけ? これも 簡単だよねぇ。 | |
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そ、そうなの…?? | |
ネック に サラッと 「簡単」だと言われてしまい、 ふき は 戸惑いました。 | |
はい。 今まで 何度か ふれてきたとおり、 『資本主義社会』 に おいては、 所有している資金量が、 基本的に そのまま 「自分の 自由度」に つながります。 | |
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もちろん、 お金で『命』などを 買うことはできませんが、 お金があれば 「自分の生活環境を整える」 ことができますし、 病気やケガに なってしまったときにも、 「手厚い治療を受ける」 ことができます。 | |
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それによって 間違いなく、 自分の… DNA の、 『生存確率』は 上がりますよね。 | |
そんな トンビ紳士の解説が 一区切りしたとき、 突然 ふき が、 こんな話を 切り出しました。 | |
で、でもさ。 「お金」を持っているせいで 誰かに ねたまれて、 殺されちゃったりする ことも あるじゃない? | |
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それって つまり、 「お金」のせいで 『死』を 引き寄せちゃった って事に なるんじゃないの? | |
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これって、 「お金を持つこと」が 必ずしも、 DNA の 生存確率の上昇… つまり『しあわせ』に、 直結していない っていう 証拠の1つ なんじゃないかなぁ… | |
そんなことを指摘した ふき を、 3匹は しばらく、 キョトンとした顔 で 見つめていましたが… その中で、 最初に口を開いたのは、 かみね でした。 | |
ふ、ふきさん、 すごい! 本当に そうですよね。 わたし、ふきさん が こんなに「深い洞察」を お持ちだなんて、 ビックリしちゃいました。 | |
かみね は、 スラリとした2本の前足で ふき の 手をにぎって、 うれしそうに ピョンピョンと はねるのでした。 | |
そ そ そう? いや まあ、 「物事」ってものは 何でも 多角的 に 見ないと、 『真実』は 見えてこない からねぇ… | |
そんなことを、 ニヤニヤ 照れながら 言う ふき に、 ネック が 一言 こう言いました。 | |
アホか、あんた…? | |
手を握り合ったままの ふき と かみね が、 「へ…?」と 言って 停止してしまいました。 |
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「お金」目当ての殺人 が 起こるのは、 少なくとも 犯人にとっては、 『お金 > 命(DNA)』 って事なんでしょうね。 そこんとこは たしかに、 ふき の 言う通り だよ? | |
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でもね。 よーく 考えてごらん? この場合の「命」ってのは、 『誰の』命 のことなの? | |
…あ! ふき と かみね の顔が 同時に白くなり、 ミューラー が、 うんうん と うなずきました。 | |
そうなのです。 ふきくん の 指摘は 一見 するどいように 見えますが、 実は、 「比較するべき対象が 間違っている」 んですよね。 | |
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「お金目的の殺人」 というものは、 『お金 > 他人の命(DNA)』 という構図で発生する ものであって、 『お金 > 自分の命(DNA)』 ではない のです。 | |
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ミューラー が 何度も 言ってきたっしょ? 『 DNA の 目的は、 「自分の」生存確率 を 向上させることだ』って… | |
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だから あんたも、 「自分が生きることだけが 生物の本目的だなんて、 人間は そこまで 愚かじゃないよ!」 とか 怒ってたんじゃ なかったっけ? 記憶力、どこに 落っことしてきたのよ? | |
そうでした… 自分たちを 「DNA の 奴隷」のように 思いたくない気持ちから、 ふき は、とんでもない オウンゴール を 決めてしまったようです。 そんな ふき を 褒めちぎってしまった かみね も、 自分のミスに気付いて、 そろそろ〜 と、 ふき の 手から 自分の前足をはなすのでした。 | |
というか さ… | |
ネック が、 ウンザリした表情で 続けます。 | |
『お金を持っているから、 自分の人生は しあわせ!』って 最初に言い出したのは、 他でもない ふき、 「あんた」なんですけど?? 記憶力、どこに 落っことしてきたのよ? | |
あきれはてる ネック と、 それを 「まあまあ」と なだめる ミューラー を 見つめながら、 ふき は、 「他人と自分の発言は、 もっと キチンと記憶しよう…」 と、半泣きで 心に誓ったりするのでした。 |