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第4章『「DNAの生存本能」で「しあわせ」を考える』→ 『実は しあわせではない人』の、言動の特徴 |
さて、 これで とりあえず、 『 しあわせ = 生存確率の向上』 についての話が、 一区切り したわけですが… ここで ふき は、 ふと 気づいて、 ネックたち に、こんな 「クレーム」(?) を つけたのでした。 | |
以前は よく、 ネックさん や ミューラーさん は、 僕の「しあわせ」に ケチをつけた けどさ… | |
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こうやって よくよく話を 聞いてみると、 僕の信じてた 「しあわせ」だって、 ある程度は ちゃんと 『生存確率 の 向上』に 関わっていると 言えるものばっかり だったんじゃない? | |
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なのに、 あんなに 僕のことを、 罵(ののし)ってさ… ヒドいんじゃ ないのかなぁ、これ? | |
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け、決して 罵ったわけでは… | |
意外な方面からの ふき の 文句に、 ちょっと うろたえてしまう ミューラー… しかし、ネック は 落ち着いたもので、 サラッと、 ふきの 反論の「穴」 を 指摘しました。 | |
あのねー、ふき。 「結果論」で 物 言ってんじゃないわよ。 | |
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け、結果論?? | |
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だって そうでしょ? 以前の あんたは、 お金とか 学歴とか 就職とか が、 『生存確率を向上させるもの』 だとは 知らなかった わけでしょう? | |
言われてみれば、 その通りです。 だからこそ ふき は、 ミューラーたちに 『お金や 学歴や 就職 などが 魅力的に見えるのは、 それが、生存確率を向上 させるからです』 と 言われて、 今まで自分が 気づけていなかった 「物の見方」に 仰天 したのですから… ふき の 今まで信じていた 「しあわせ」は、 1つ1つの「答え」 としては、 たしかに 大きくは 間違っていません。 でも、ふき は、 その「答え」を 導き出すための『式』 について、 知らなかったか、 考えたことが無かった… ネック は、 そこを指摘したわけです。 『「答え」だけを、 聞いて知っていても、 意味が無い』… 『「式」を使って、 自分で「答え」に 辿り着かなければ』… と。 ミューラーたちが示した 『DNA の 生存本能』は、 つまり、 「しあわせの正体」 という「答え」に ストレートに至れる、 非常に優秀な『式』の1つ だったのです。 |
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私 思うのですが… おそらく ふきくん の 中に、 『既存(きぞん)の 価値観』 への 妄信 が、 強くあったのでは ないでしょうか…? | |
「キ、キ、キゾ…? え…??」 このトンビ紳士 の口から ときどき飛び出す 難解な 言葉 には、 ふき も かみね も、 お手上げです。 | |
す、すみません。 つまりですね… 「昔から言われていることや、 周りの多くの人が 言っている価値観を、 深く考えず、 そのまま 信じ込んで しまっていた」 …という感じでしょうか? | |
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ようは、 「周りの皆が そう言ってるから、 正しいに決まってんだ〜!」 とか言って、 『鵜呑み』に しちゃってるってことよ。 | |
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ノーミソは 入ってても、 自分の頭で考えてない ってこと。 アンダスタン(分かった)? ふき。 | |
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え… いや… ちょっ… そ、そんな事は無いと 思うけどなぁ。 | |
自分では、 「ネックたち の手落ちを うまく指摘して、 ささやかな反論ができそう!」 と 思っていたのに、 『自分の頭で 考えて いなかっただけ』と、 逆に 意外な指摘を 食らってしまった ふき は、 うろたえるやら、 腹が立つやら… しかし、 そんな ふき に返した ネック の 言葉は、 こうでした。 | |
「そんな事は無い」 わけないでしょ、ふき? だって あんた、 自分で 言ってて、 気づかなかったの? | |
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え!? な、なにを…?? | |
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あんたが、 「お金」とか「仕事」とかを 自慢していたとき、 ちょっと 面白い 『法則』が あったのよ。 | |
『法則』?? ミューラー と かみね が、 不思議そうな顔で ふき を 見つめ、 ネック の 言葉の意味が 分からない ふき は、 2匹の顔を見返して うろたえるばかりでした。 |