サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第4章『「DNAの生存本能」で「しあわせ」を考える』
『実は しあわせではない人』の、言動の特徴


■『実は しあわせではない人』
の、言動の特徴(2/3)


『ふきの「しあわせ」自慢の、
意外な「法則」』





あたしも
うろ憶えだけど、

前に あんた、
「若さ」について
話したとき、

『オレら若者に比べて、
お年寄りは 憐れ!』

とか 言ってたでしょ?





たしかに、

そんなことを言った記憶が、
ふき にも あります。








で、「物」「お金」
話をしたときは、

『目先の食費にすら困って
ピーピー言ってる
「無計画な奴ら」に比べて、
自分は 本当にしあわせ!』


とか 言ったよね?





あと、「学歴」のときは、

『イヤな勉強にも
シッカリ耐える、
オレみたいな人間は、

「受験から逃げた
怠け者ども」とは違って、
ガマン強くて立派!』

とか 自慢してたよね?

いやはや、
ご立派なことですこと…





ネック には 鼻で笑われ、


かみねミューラー には、
ふきさん… そんな事を
言ってたのですか?」

という顔つきで
見つめられ、


ふき は 恥ずかしさで、
顔が だんだん
下を向いていきました。


   






他にも、

『自分は「就職」してるから、
無職で平気でいられるやつの
気が知れない』
とか、


『「夢」を持ってない奴は、
死んでるのも同然』
とか…





『世の中には、
「友だち」も持てない
孤独なヤツらが
たくさんいる』
とか、


『「彼女」がいない
憐れな男どもの
ネタミの視線が うるさい』
とか…






うわあ…

言ってる あたしのほうが
恥ずかしくなってくるわ。



…ちょっと、
聞いてんの、ふき!?





部屋の真ん中で
ダンゴ虫のように丸まって、
顔をおおっている ふき
の 頭を、

ネック が前足で
ペシペシ 叩きました。





か… か…
勘弁してくださいよ、
ネックさん…

そ、そりゃ、我ながら
「みっともない勘違い」
してたとは思いますけど、

今は もう、
その間違いにも気づけてる
わけじゃないですか?





どうして 今さら、

そんな『古傷』
えぐるようなことを…





すると ネック は、

ちょっと
意外そうな顔をして、

こんなことを
言うのでした。






ふーん…

これだけ並べてみても
『気づけない』んだ?





え?



  









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『ふきの「しあわせ」自慢は、
「他人との比較」ばかり』





ふき は てっきり、

ネック
勝ち誇ったような態度を
とるかと思ったのですが…


ネック の 顔つきは、
むしろ 失望というか、
呆れ果てている
感じです。


  




「これだけ並べてみても
気づけない?」
とは、

どういう意味なのでしょう?



そういえば、
さっき ネック は、

『法則』が どうとか
言っていたような…







そのとき 突然、

ミューラーかみね が、
ハッと ひらめいて
顔を上げました。





!!!

なるほど!
そういう事 でしたか…




あ!

わ、わたしも
分かっちゃいました!





なに なに なに、
なんなの??

ぼ、僕の言葉の
『法則』って、

いったい…





孤立して
うろたえる ふき に、

かみね驚きと呆れを
混ぜたような声
で、

こう 言い放ったのです。





ふきさんって…

『 他人の 悪口 』
ばっかり言ってる!!





ええっ!!??





たしかに…

必ず、その要素について、
ご自分より
明確に劣っている人を
「引き合い」に出して、


『だから、自分は
「しあわせ」なのだ』


と、結論づけ ていますね…






『そんな バカな!?』

…と、一瞬 思った
ふき でしたが、


自分の言葉を1つ1つ
思い出していく
につれて、

その顔が 少しずつ
青ざめていきました…




…ほ、本当だ。

な、な、なんで…??





なかば パニックになった
ふき に、

ネック が、さとすように
こう言いました。





それはねぇ、ふき


結局は
『あんた自身が、

自分の「しあわせ」に
自信を持てて
いなかったから』
よ?





僕自身が、
自分の「しあわせ」に…

自信を持てて
いなかった…??





ネック の 言葉を
繰り返す ふき に、


ミューラー
うなずきながら、
解説を始めました。











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『自分の「しあわせ」に
自信が無いから、
弱い立場の人と 自分を
比較しようとする』





まさに、

ネックさん の
おっしゃられる通り

だと思います。


ふきくん が、もし本当に
ご自分の「しあわせ」に
自信がある
のであれば…





わざわざ『他人』を…

しかも、
「世間的に見て、
明らかに自分より不利」
と 思われる人
を、
比較対象に持ってきて、

『あの人たちより、
自分は しあわせだ!』

などと言う必要は
無いはずだからです。





自分の現状に
本当に満足している人
は、

(良い意味で)
『周りに無関心になる』

ものです。





自分の中に、

大きな「自信」や
「安心」があり、

『他者との 比較の
必要性を感じない』

からです。





逆に、

心の どこかで
不満・不安
抱えている人は、

(悪い意味で)
『他人のことを
ものすごく気にする』

ようになります。


自分の中の「不安定さ」が、
そうさせる
のです。





ふきさん が、

「僕は、しあわせだ!」
とだけ言わずに、

『僕は、○○に 比べたら、
しあわせだ!』

という言い方を
していたのには、

そんな理由
隠れていたんですね…





ふき は ただ茫然と、

かみねミューラー
会話を見つめています…

  





もちろん、

たとえば
『 能力などが
自分より上の人 』と、
自分を「比較」すること…

「違いを探す」ようなこと
は、
とても 大切 です。





そこには「学び」があり、

『自己の 向上』
つながっていくからです。





しかし、
「自分より
能力や立場が下の人」
との 比較
には、

ほとんど
意味は ありません…



そこで得られるのは、
『 いつわりの 安心感 』
『 一時的な 優越感 』
ぐらいではないでしょうか?





少なくとも、

『ご自身の 成長』からは
真逆のもの
しか、

得られないと思います…






まさか 自分の中に、

そんな
「思考の クセ」
潜んでいたとは…



ふき は、
ネック が この家に来た当初、

彼女は なにげなく
自分の自慢話を
聞いているものだとばかり
思っていたのですが…



実は、
あの時点で すでに、

「自分の心」は、
この白猫に、

裏の裏まで シッカリと、
見透かされて
しまっていた
のです…


  






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