サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第5章『「DNAの生存本能」で「世の中」を考える』
ミューラーの、思い出の岩場


■ ミューラーの、
思い出の岩場(6/6)


『人間を深く尊敬するトンビ』





そのときの驚きは、

そのまま 私自身の、

『「人間」という生き物への
深い 尊敬の思い』

となりました…





キツネの おじいさん は、

きっと こうなることを
知った上で、

私に この「役目」を
与えてくださった

のだと 思います。






話し終えた ミューラー は、

その羽で
「柱のような 岩」
なでつつ、


遠く、海の彼方へと
視線をうつしました。






うーん…

でも ふきさん は、
そのとき、

「本当は」 何を
していたのでしょうか?





かみね
「当然の 疑問」
口にすると、


ミューラー は 急に あわてて、
こう 答えました。





も、申し訳ありません!

そこについては、
キツネの おじいさん から、

『 時が来るまでは、
かみねさん を 含む全員に、
決して話さないように』


「口止め」されて
いるのです。





でも、今回の お役目が
終わる頃には、

皆さんに『 事実 』
話せるときが

必ず 訪れると
確信しています。





そう言いながら
ミューラー は、

その日を
待ちわびるように、


でも、
少し寂しそうに、

ほほえんだのでした…







「個人的な 道草」に
付き合っていただいて、

ありがとうございました、
かみねさん。





それでは
参りましょうか。

我らが「ふきくん」の
住む街に!





そう言うと
ミューラー は、

平らな岩場を
トットッと走って、

流れる風に
身をゆだねると、

アッというまに
軽やかに、

青い空に 駆け上がって
いきました。





かみね も フワリと
身を浮かせると、

ミューラー の 旋回する
空に向かって

まっすぐ 風のように
昇っていったのでした。



  


   










誰もいなくなった 岩場 に、

冷たい風
流れていきます…




その風を受けて、

「岩の柱」の てっぺんの
「くぼみ の 中」が、

カサカサ… と
乾いた音をたてました…





それは なぜだか、

とても空虚で、
寂しい音に、

聞こえるのでした。



   






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