ミューラーの、思い出の岩場(1/7)





これは、

今から 少し前の物語


ミューラー が、
ふき の マンションを訪れる


その直前の お話 です。






それでは、

そろそろ
出かけましょうか?

ふきさんたちの 住む街」 に…




かみね の 言葉に、

ミューラー
ちょっと緊張しつつも、

ニッコリと
ほほえみました。







ここは、
ミューラー夫妻の住む、

南の小さな半島


その海辺の
ゆるい斜面にある、

静かな林の中に
なります。




神さま である、
「キツネの おじいさん」



の 力によって、

『 人間を はるかにしのぐ
高度な知能 』

与えられた このトンビは…



かみね との、
2週間に及ぶ
さまざまな勉強を通して、

すでに、
人間の並の大人では
到底 歯が立たないほどの


世の中に対する
深い知識と 考察力

を 身につけておりました。





でも、

そんな ミューラー
心の中には、

「人間を しのいだ自分」
への オゴリは、
露ほども ありません…








むしろ、

今の彼の心に
湧いてくるのは、


自分のように
「神さま」の力によって
与えられたもの

ではなく、

遺伝と 自らの学びによって、
『 高度な頭脳 』を
獲得できている、

「人間」という生物への
深い 尊敬の思い

でした。









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