ふき は、 これまでにないほど 圧倒的な ポカーーン顔 に なってしまいました… 突然 、 なにを言い出したのか、 ネックさん は…? 今までの 話の流れ を、 ちゃんと聞いて いなかったのだろうか? この白猫は、 なにを トンチンカンで 矛盾したこと を… | |
あのー… ネックさん… 「自分自身の しあわせ」 (自分の生存確率の上昇) を 追いかける と、 他人に迷惑が かかっちゃう から、 どうしよう…?? って 話をしていた んですよ? | |
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あなたの 言っていることは、 まったく 逆 じゃないですか? 僕は むしろ、 皆が もっと、 他人や周りに 気を使うことを 考えるように… ギャア!! | |
ネック を さとしていた ふき が、 突然、すごい絶叫をあげて 引っくりかえった ので、 ミューラー と かみね も 腰を抜かしたように 引っくりかえりました。 ネック は、 痛さで床を転げまわって 悶絶している ふき を 見おろしながら、 自分のツメに フッと息を吹きかけ、 静かに それをしまいつつ、 こう 言いました。 | |
耳の穴 かっぽじりなさいよ、 ふき。 あたしは、 『 本気で 』 『 トコトン 』 って 言ったのよ? | |
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…ど ど、どういう意味 でしょうか? ネックさん… | |
久しぶりに ネック から 『弁慶の泣き所への 一閃』 を 食らった ふき は、 久しぶりに ちぢこまって、 ネック に 教えを 請(こ)うのでした。 | |
言葉どおりよ。 今まで通り、 『自分が 生きのびること』を 何より 一番大事 に 考えるの。 | |
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ただし! 「目先のこと」だけ じゃなくて、 『 ずっとずっと、 ずっと 将来のこと 』 まで 含めて、 本っ当に、 トコっトン… ね。 | |
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『将来のこと』 も 含めて、 本当に、トコトン …? | |
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… ネックさん の お話は、 こういう事 では ないでしょうか? ふきくん。 | |
まだ、ネック から 言われていることに ピンと来ない ふき に、 頭をふりふり、 目をパチクリさせながら、 起き上がった ミューラー が、 こんな話を始めました。 |