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本当に 『 自分の生存確率を上げる 』 ことを 深く深く 追求すると、 『 他者の協力は不可欠 』 です。 | |
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ですが 今の世の中は、 『とにかく 他人とは、 協力しあうべき』 という 物の考え方を 学校の「道徳」などを通して 教育 しています。 | |
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それは あたかも、 『 まだ 地面がシッカリ 整っていない所に、 いきなり家を 建てるようなもの 』 です。 問題をとく「過程」 を 教えず、 『答え』だけを先に 押し付けているようなもの なんですよね… | |
かみね も ようやく起き上がって、 前足で 腰をさすりながら 言いました。 | |
つ、つまり、 『 他の個体や 他生物と、 協力することの 大切さ 』 という「答え」を 本当の意味で 理解する ためには… | |
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その前に まず、 『 自分と 彼らの中にある、 生存本能 』 という「公式」と、 シッカリ 向き合わなくては いけない… ということですね。 | |
ミューラー は、 ニッコリと うなずきました。 | |
さらに言えば、 ふきくん は、 私が初めて、 『 生物は、自分が生きのびることを 「しあわせ」と 認識しています 』 と 説明したとき… | |
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すぐさま、 『 人間は そこまで、愚かで 身勝手じゃない! 』 と言って、 怒っておいででしたよね? | |
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それは つまり ふきくん が、 『 自分自身の生存を 最優先にすることは、 愚かで 身勝手(悪)な 行為である 』 というふうに、 ご両親や 学校から 教育されて育ってきたから… ではないでしょうか? | |
言われてみれば、 その通りです。 あのとき 自分が、 『 DNA の 生存本能 』 『 自分を最優先とすること 』を、 すぐさま『悪』だと うたがいもせず 思いこんでしまった のは… ふき が 今までの人生で 受けてきた「教育」による 影響であることは、 間違いありません。 | |
でもね、ふき。 生物が、 『 自分が生きのびることを 最優先にする 』 っていうのは… | |
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「良い」とか「悪い」とか そういう問題じゃなくて、 『 生きもの本来の 性質 』 なんだよね。 | |
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「良し悪し」 じゃなくて… 『 単なる 事実 』 ってことか… | |
ふき の 気づきに、 ミューラー が 深く うなずきました。 |