■ 範囲や時間を広げて
考えることで、
生存確率の向上をさぐる(2/5)






ふき の勤めるゲーム会社には、

A から F までの、
6つのゲーム開発部署があり、

『 Fチーム 』 は、その1つです。






ただ、実は この 「Fチーム」…

まさに今 ミューラー
言ったような、

「会社にとって不利益な人間」 を、
集めた部署なのです。


できるだけ 周りから隔離して、
疎外感をうえつけ、

自主退社するよう 仕向けるために
設けられた、「窓際」部署




ふきは、開発ではなく
「サポート部門」 なのですが、

Fチームの社員が
寂しそうに肩を落として
社内を歩いているのを見るたびに、

『 自分は こいつらとは違って、
上層部に愛されているんだ。

自分は しあわせだな〜 』






などと、安堵(あんど) を
感じていたものでした。





しかし、

逆に自分が、そうした部署に
放り込まれたとなると、大問題
です。



『 自分の生存確率を高める 』 ために、

社内で取るべき行動を、
考えなおす必要が出てきます。








今までは、

「与えられた仕事を、
キチンと こなしていれば、
会社も自分のことを認めてくれる」

と、単純に考えてきましたが、

こうした部署に与えられる仕事は、

「会社にとって重要ではない、
どうでもいい作業」
である
可能性が高いです。


そんな仕事を
躍起になって こなしたところで、

本当に上層部に
実績を認めてもらえる
ものでしょうか…??




それに、「周りの同僚と仲良くする」
のも考えもの
です。

周りの同僚は、
「会社にとっては、鼻つまみ者」
なのですから、

彼らと仲良くしたり、
意気投合すればするほど、

ふき の 社内での立場は
悪くなる一方
でしょう…





うーん…

他の部署に
有力な知り合いを作るか、

上層部に直接、
自分が会社に貢献できる仕事を
アピールするとか しないと、

このままだと、いつか必ず、
会社を辞めざるをえなくなるよね…


いずれにせよ、

この部署に いつづけるのは、
絶体にキケン
だよ…





ふき が そう答えると、

ミューラー は、
先ほどより少しうれしそうに
うなずきました。





それでは、
さらに範囲を広げて、

「業界内の 1会社」 として、
この会社を見てみましょう。



実は この会社、

業界内では、「売り上げが
トップクラス」
なのですが、

その営業手段が 実に悪質 で、

お年寄りや、病弱な人たちを、
ダマしたり 脅したりして、

ムリヤリ契約を取りつける、

そんな企業なのだとか…





だとすれば、ふきくんは、

『 自分の生存確率を高める 』 ために、

どうすれば良いと思いますか?





…えっ!??





ここで ふき は、
一気に混乱しました。


自分の勤めている会社が、

実は 『 悪徳企業 』 …??




だとすると、さっき
「仲良くすべきではない」 と考えた、
部署の同僚の見え方も変わります。


彼らは 実は、

「会社の悪事に したがえない」
からこそ、

なかなか成績を出せず、
会社に煙たがられていた
可能性も ある
からです。







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