■ 範囲や時間を広げて
考えることで、
生存確率の向上をさぐる(3/5)






いやいや、

そもそも、それ以前の問題として、

『 そんな悪徳企業に
就職していることこそが、

業界内や 世の中における
自分の立場を悪くし、

将来的な自分の生活を
確実に危うくしている 』

(自分の生存確率を下げている)


とすら、言えるのでは
ないでしょうか…??





う〜ん…

もし実際に そんな会社に
勤めているんだとしたら、

できれば1日も早く、
縁を切りたいよ…



もちろん、今みたいな
不景気な世の中じゃ、
簡単には いかないと思うけど…





ふき が そうつぶやくと、

ミューラー が、急に、
こんなことを言い出しました。





しかし、ふきくん。


そんな 「卑劣な手段」 で
収益を上げている企業でも、

会社の 「多額の収益」 に対して
キチンと 「多額の税金」 を収めていれば、


その地区にとっては
『 優良企業 』 である


とも 考えられませんか?





「悪徳企業」 なのに、

地域に貢献してる事になるの??





はい。

「他人をダマして得たものでも、
お金は お金」
ですから…


税金になってしまえば、
いっしょ なのです。





だとすると、ふきくん。

「この会社を辞めるのは、
むしろ 良くないこと」

なのではないでしょうか?


ふきくん が この会社で がんばって、
会社の利益を上がれば、

地区全体から見れば
わずかとはいえ、
税金で行政も うるおい、

地域住民への行政サービスも
向上する
わけですから…





そう言いつつも ミューラー は、

ちょっとイタズラっ子のような
ニコニコ顔を見せるのでした。







ということは、

ミューラー の 言葉の中に、
なにか 「引っかけ」 があるのでしょう。


正しそうに見えて、
実は、どこかがオカシイのです。



どこが オカシイんだろう…?

どこが…








ふき が モンモンと
悩み続けていると、


横に座っていた ネック が、

ポッツリと こんなことを
言うのでした。





でもねぇ…

やってる事が
やってる事だからね。


「地元の人たちをダマして
お金を巻き上げてる」


かもしんないし…





そう考えると、

本当に地元のために
なっているのかどうか、

怪しいもの
ですよね…






そ、それだ!






「会社にお金が入れば、
地元行政の財源になる」


という プラス面ばかりに
目が行って…


というか、

ミューラー の話術に
引っかかって、


『そもそも、そのお金は、
どこから入手したものなのか?』


という 過去 (過程) を、

ふき は スッポリ
見逃していたのです。






そうか。

「今」 だけ見ていたから、
おかしな結論になっちゃった
んだ…


見るべき 「時間の範囲」 を広げて、

「過去」 に 何があって、
今の状態になっているのか? も
含めて考えないと、


こんな勘違いをしちゃうことも
あるんだなぁ…








[章の 目次 に戻る]