いやいや、 そもそも、それ以前の問題として、 『 そんな悪徳企業に 就職していることこそが、 業界内や 世の中における 自分の立場を悪くし、 将来的な自分の生活を 確実に危うくしている 』 (自分の生存確率を下げている) とすら、言えるのでは ないでしょうか…?? | |
う〜ん… もし実際に そんな会社に 勤めているんだとしたら、 できれば1日も早く、 縁を切りたいよ… もちろん、今みたいな 不景気な世の中じゃ、 簡単には いかないと思うけど… | |
ふき が そうつぶやくと、 ミューラー が、急に、 こんなことを言い出しました。 | |
しかし、ふきくん。 そんな 「卑劣な手段」 で 収益を上げている企業でも、 会社の 「多額の収益」 に対して キチンと 「多額の税金」 を収めていれば、 その地区にとっては 『 優良企業 』 である とも 考えられませんか? | |
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「悪徳企業」 なのに、 地域に貢献してる事になるの?? | |
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はい。 「他人をダマして得たものでも、 お金は お金」 ですから… 税金になってしまえば、 いっしょ なのです。 | |
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だとすると、ふきくん。 「この会社を辞めるのは、 むしろ 良くないこと」 なのではないでしょうか? ふきくん が この会社で がんばって、 会社の利益を上がれば、 地区全体から見れば わずかとはいえ、 税金で行政も うるおい、 地域住民への行政サービスも 向上する わけですから… | |
そう言いつつも ミューラー は、 ちょっとイタズラっ子のような ニコニコ顔を見せるのでした。 ということは、 ミューラー の 言葉の中に、 なにか 「引っかけ」 があるのでしょう。 正しそうに見えて、 実は、どこかがオカシイのです。 どこが オカシイんだろう…? どこが… ふき が モンモンと 悩み続けていると、 横に座っていた ネック が、 ポッツリと こんなことを 言うのでした。 | |
でもねぇ… やってる事が やってる事だからね。 「地元の人たちをダマして お金を巻き上げてる」 かもしんないし… | |
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そう考えると、 本当に地元のために なっているのかどうか、 怪しいもの ですよね… | |
そ、それだ! 「会社にお金が入れば、 地元行政の財源になる」 という プラス面ばかりに 目が行って… というか、 ミューラー の話術に 引っかかって、 『そもそも、そのお金は、 どこから入手したものなのか?』 という 過去 (過程) を、 ふき は スッポリ 見逃していたのです。 | |
そうか。 「今」 だけ見ていたから、 おかしな結論になっちゃったんだ… 見るべき 「時間の範囲」 を広げて、 「過去」 に 何があって、 今の状態になっているのか? も 含めて考えないと、 こんな勘違いをしちゃうことも あるんだなぁ… | |
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