実は 最近の ふき は、 こうやって ネックたち と 「しあわせ」 について考え、 語り合う時間に、 今までの自分の人生では 味わったことが無いような 深い喜びを感じていたので… 当初の理由は、 ほぼ どうでもよくなって、 ほとんど忘れ去って しまっていたのです。 | |
えーと… あれですよ、あれ。 う〜〜ん と… …そ、そう! 僕が本当に 『 不幸者 』 かどうか? を、教えてもらうため ですよ! | |
そう言いながら ふき は、 「そうか。 最初は そうだったんだ…」 と、ちょっとビックリ してしまいました。 | |
で、どうだったの? これまでの あたしらの 話を聞いてみて。 今でも、あの夕方の 公園のときみたいに、 ムカッ腹が立つ? | |
そう茶化しつつも、 ネック には ふき の 回答が 見えているようでした。 | |
いや、今でも自分のことを 「不幸者」 だとは思いませんよ? 少なくとも、 『 社会的には 』… ね。 | |
ふき は、 ネック と 会った当初のような、 ちょっと小ナマイキな感じで、 そんな事を語りだしました。 | |
ただ それは、 今 自分のいる 「社会」 とか、 世の中の 「価値観」ってものが、 ずっと永遠に変わらないように 思いこんでいた から、 そんなふうに 感じていただけで… | |
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今の社会が ちょっとでも変化したり、 自分が別の社会 (外国とか)に移ったら、 自分の抱えていた 「しあわせ」 なんて、 アッというまに 揺らいじゃうものなんだな… ていう 恐ろしさだけは、 悔しいけど、ネックさんたちの話で ハッキリと自覚させられた 感じがしていますよ… | |
ネックが、少しほほえんで うなずきました。 | |
僕は、「不幸」 では ないかもしれないけど、 「しあわせ」 でも なかったんだなぁ… って、思い知らされた感じかな? 『 自分が本当に進みたい方向 』 『 進むべき方向 』 も、 よく見ようとしないまま、 足を止めて、大事な人生の時間を ムダにしてしまっていたんだなぁ… って… | |
そう言いながら ふき は、 あらためて 今までの 自分の 『 人生の足踏み 』 を 後悔するように、 悲しそうな顔で うつむき、 重い ため息を はいたのでした。 すると ネック が、 前足で ふき の 脇腹を、 ポスン と 叩きました。 |