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ただいま〜。 いやー、今回も重かったよ、 カリカリ と 猫缶。 でも、ちゃーんと、 ネックさん ご指定のお品物を 買ってきましたんで。 ま、僕の労(ろう)に感謝して 食べてくださいね〜 | |
ちょっと 浮かれぎみの ふき が、 そんなことを言いながら リビングに入っていくと… なぜか ネックたち は、 電気もつけない 薄暗い部屋の中央で、 輪になって座りこんでいました。 ミューラー が、 今まで見せたことが無い、 とても困ったような顔つきで、 ゆっくりと、 ふき の ほうに顔をあげ、 かみね も、 半泣きのような顔で、 小刻みに震えながら こちらを見つめています… 突然の異様な雰囲気に、 ふきが とまどって 立ち尽くしていると… ネック が あっけらかんと、 | |
うん。 おかえり、ふき。 今度は ちゃんと、 「○○フーズの かつお缶」 を 買ってきたんでしょうね? まーた 間違ってたら、 「コレ」 だかんね? | |
そんなことを言いながら、 するどいツメのはえた 前足の先端を、 握ったり開いたりするのでした。 | |
い、い、いや、 それは確認したんで 大丈夫なんですけど… み、皆 どうしちゃったの…?? | |
ふき が、 ミューラー と かみね に たずねると、 2匹は困ったような顔をして、 ナナメ下に目をそらして しまうのでした。 | |
ま… それを話す前に、 まずは聞こうじゃないのさ。 この1週間の 『最終試験』 で、 あんたが なにを感じたか? をさ。 | |
ネック の 言葉に、 ミューラー は ふき の ほうに向きなおり、 自分を奮い立たせるように、 言いました。 | |
そ、そうですね… 取りあえずは、 それをお伺いするところから 始めましょう。 どうでしたか、ふきくん。 『 DNA の 生存本能 を意識して、 過ごした 1週間 』 は…? | |
ふき としては、 明らかに様子がおかしい3匹 の、 その理由のほうを 先に聞きたかったのですが… 彼らの雰囲気からして、 「自分が先に答えないと、 多分、話が先に進まない」 と感じ、 従うことにしました。 |