■ ふき の悟りと、
ネック の告白(4/9)






そうなのです… ふきくん。

「自分が生き残ること」 が、
生物最大の しあわせ
なら、

『 自分が死んでしまうこと 』
こそが、生物最大の不幸





なのに、全ての生物は、
生物である以上、

必ず この
「最大の不幸」 に向かって
日々をすごしている
のです。


こんなに 「悲しい矛盾」 が、
他にあるでしょうか…?





そして、良くも悪くも、

それ(死)を明確に意識して
生きている生物は、

地球上では おそらく、
人間さんたちだけ
なのです。





だからこそ、人間さんたちは、

ときに フィクションの中で、
『 永遠の命 』 を 手に入れる物語や、
『 永遠の命 』 を 持つ生命体
を想像したり、

ときに、そうした薬や伝説を
躍起になって探し、
研究してきた
のだと思います…






人間は、「高度な大脳」
手に入れたことで、

「目先の今」 だけではなく、

「将来的な危機」 にも
目を向けられるようになりました。




しかし、それは同時に、

自らに必ず降りかかる、
生物最大の不幸 『 死 』
という恐怖とも、

日々 向き合わざるをえない


結果を 招いたのです…






絶対に手に入らないからこそ、

『永遠の命』 を求めて
やまない
んですね…


あたしたち 「神さま」 だって、

それは生物さんたちよりは
長寿ですけど、

「永遠」 には
存在できませんから、

なんとなくですが、
お気持ちは分かります…






そんなことを寂しそうに語る

ミューラーかみね



しかし、

なんと そのとき、

ふき が その意見に
異を唱えたのです。






いや…


『 永遠の命が無い 』 ってのは、

ちょっと違う
んじゃないかな?








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