■ ふき の悟りと、
ネック の告白(6/9)






話し終わった ふき は、

「ふう」 と 一息をつきました。







ふき自身、こうした考え方には、
まだ つい最近 辿りついた
ばかりだったので、

自信が無くて
緊張していたのですが…



ネックミューラー が、
静かに深く うなずき合っている

のを見て、

ようやく ホッと
安堵したのでした。


  







ただ、ネック は、

まだ なにか 「引っかけ」
隠しているような顔つきで、

ふき に、こんな質問を
してきたのでした。





でも さぁ… ふき


「自分の子供を残す」 ことが
そんなに重要で
大切なことだっていうなら、

たまに ニュースで取り上げられてる
「性犯罪」 の 犯人は、

『 DNA の 視点』 からすれば、
別に 悪くないんじゃないの?





それは言えますねぇ。

性犯罪の犯人さんは、

「自分の DNA のコピーを、
将来に残したい」
という、
根源的な欲求から、

そうした行為に
走っているわけですから、

それを 「罪」 に 問うなんて、
生物本来の姿として矛盾する

ように思えますね。





むしろ、

「人間という種の総数」 を
増やすことに つながるかも
しれない
わけですから、

「性犯罪」 は、『 善行 』 とすら
言えるのではないでしょうか?




ミューラー も、
「例の顔つき」 を浮かべながら、

ニコニコ と ふき
そんなことを問うのでした。




かみね は、

突然 そんな不可解なことを
言い出した2匹に、

『 な、な、な…? 』 と、

混乱と怒り で、
ドモってしまいました。








ところが ふき は、
まったく うろたえず、

サラリと、こう返したのでした。







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