■ ふき の悟りと、ネック の告白(7/9)






いや、それは違いますよ。

ネックさん、ミューラーさん。


単純に 『 自分の DNA をコピー 』
するだけじゃ、片手落ち です。





「片手落ち」…

というと?




そう問いながらも、

ネック には もう、

その先が見えているようでした。





だって、

『 自分のコピー 』 である
赤ん坊が生まれたとしても、

『 その子が一人前になるまで
育つことのできる環境 』


を 両親が作って
あげられなければ、

せっかく生まれた その子も、

まともに育たないか、
亡くなってしまう
ことだって
あるんですから…





両親になる2人が、

お互いを尊敬できるような
良い恋愛の果てに
結婚する
からこそ、

いろんな困難のある
「家族生活」 や 「子育て」 も、

協力して 乗り越えていける
可能性が高くなる
わけで…





『 生まれてくる子供が、安心して
育っていける環境 』 を 提供する気が、
最初から全く無い
うえに、

「犯人」 と 「被害者」 という、
お互いを尊敬し合えるはずがない
関係でしかない
「性犯罪」 は、

本来の 『 子づくり 』 とは、
全く異なる行為なんじゃないかな…?





「子供が安心して
育つことのできる環境」 を、

子供さんに提供できて、
はじめて…


その生物は、本当の意味で
「子づくり」 に…

『 自分の DNA のコピー 』 に、
成功した
と言えるわけですね?





ふき は、

静かに うなずきながら、
ほほえみました。





だから僕も これからは、

「付き合うべき女性」 を、

将来まで見すえて、
もっと根本から
考え直してみたい
し…


この社会の中で
生きのびていくための
強さになる、

『 知識 や 技術 』 も、
もっと身に付けたい
し…





自分が かかわる 「仕事」 が、
ちゃんと この社会全体の
生存確率を上げて


それが回り回って、
自分たち家族の生存確率も
上げるようなもの

ありたいと思うし…





今イチ よく分からない
「政治」 とか 「投票」 についても、

「よく分からない」 で 終わらさずに、

その政策や政治家が
本当に 長期的に見て、
僕たちの生存確率を
上げてくれるものかどうか…?
を、

可能なかぎり 考えた上で、
支持する相手を選んでいきたい
と思うんだ。





そんなふうに ふきくん が、
「環境」 を 用意する からこそ、

いつか生まれてくる
ふきくん の 子供さんも、

その中で のびのびと
育っていける…


ということですね?





ふき は、照れながら

うなずきました。








[章の 目次 に戻る]