秋の午後の 公園に、 ゆるやかな太陽の 光がそそぎ… やや涼しくなった風が、 サラサラと 敷地を流れていきます。 | |
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その風に 耳をくすぐられて、 周りの地面から 一段 高くなっている 花壇の中で、 白猫 ネック は ポッカリと 目をさましました。 ![]() しばらくは、 トロンとした目つきのまま 横になっていた ネック は、 やがて、 「筆記体の S」のような 形のノビをして、 チョコンと花壇の中に 座りこんだのでした。 | |
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あー、よく寝た… さて… 今日は、何して すごそうかなぁ。 |
これは、 ネック が ふき の 家を訪れる、 3ヶ月ほど前 の お話… 場所は、 都心のビル街から 少し離れたところにある、 ちょっと大きな公園 です。 縦横が それぞれ 数100メートルもあり、 大きな池や グラウンドなどもある、 広くて おだやかな この公園 は、 「都心近くにある それ」 には ちょっと見えず、 初めてフラリと訪れた人々を、 驚かせる、そんな場所です。 | |
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そんな この公園の 大きな魅力の 1つ … それは、 人なつっこい ノラ猫たち の 存在です。 | |
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誰かに捨てられたり、 どこかから移り住んだり、 この公園で夫婦になった猫から 生まれた子供たちなど、 30匹ほどの猫たち が、 公園の敷地内で ゆうゆうと 暮らしています。 この猫たちは、 近所の人たちから ご飯を もらったり、 たまに訪れる人間たちに 頭をなでられたりしながら 暮らしているので、 ほとんど 人間を 恐れません。 見知らぬ人間と いっしょに 時間を過ごす ことを、 『ごく 当たり前』と 考えて 日々を送っているのです。 ![]() そのため、 そうと知らずに訪れて ベンチに座った人は、 すぐ隣のベンチや、 ときには同じベンチに、 猫たちが 当たり前のように 寝転んでいたり、 ちょっと興味のある目で こちらを見つめていたりする ので、ビックリします。 でも すぐに、 そんな猫たちの、 すぐそばにいる 人間である自分のことを 恐れもせずに、 ゆったりと マイペースに 毛づくろいをしている姿 を 見ているうちに、 なんともいえない、 とても安らかで、 おだやかな気持ち に 包まれ… この公園への 再訪 を 心の中で誓いつつ、 名残おしそうに 帰っていくのでした。 | |
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