■ 白猫ネックの望んだ
『2つ目の 願い』(3/7)

『ネック、「神さま」から
相談を受ける』





普通の猫 が、

普通に のんびりと
公園で昼寝をしている

ように見えて…



その実 ネック は、

世の中の いろいろな事を、
深く 深く 考えつつ、


この「3年間の日々」を
過ごしてきた
のでした。





言っとくけど…

今のところは まだ、
すぐ かなえてほしい
『願いごと』
は 無いよ?


今日は、散歩しに来た
だけだかんね?





この公園に
捨てられた当初は、

いろいろな願いごと
日々の問題も 抱えていた
ネック でしたが…



こうやって 公園で、

まさか、この白猫が
「自分たち人間と 同じような
思考能力を持っている」とは
夢にも思わない人間たち
が、

自分相手に、
気軽に語ってくる

さまざまな
「本心」の 独り言




それを 聞く日々が、

今の ネック
結構 気に入って
いたのです。









うむ…

実は 近々、
おぬしのところに
『相談』に 行こうと
思っとったんじゃが…


どうじゃ?

ちょっと 話さんか?





へえ、めずらしいね。

じいさん のほうから、
あたしに「相談」?





ネック は、

頭上の木々の中から
フワリと下りてくる
おじいさん と 話すために、

そばの、
大きめの平たい石の上に
座りました。



石は、
秋の日ざしをうけて、

ほんのりと
あったまっています。









ネック と 並んで
石に座った
キツネの おじいさん は…


しかし、
なにか 悩んでいる
ようで、

なかなか 話を
切り出してくれません…







その態度に
イライラした ネック が、

おじいさん
叱咤しました。






ちょっと!

「相談がある」とか
そっちから 声かけといて、

なに ダンマリ
決めこんでんのよ!





こっちもヒマじゃ
ないんだかんね?


用が無いなら、
あたし もう行くよ!!





( さ、さっき

『あんた「も」
ヒマそうだねぇ』


と 言っとったじゃないか、
この子は…?? )





おじいさん は、

ネック
理不尽に どなられて、
アタフタしてしまいました。



…が、

たしかに このままでは
話が進まないので、

意を決して、
ネックこんな質問
したのでした。


  






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