普通の猫 が、 普通に のんびりと 公園で昼寝をしている ように見えて… その実 ネック は、 世の中の いろいろな事を、 深く 深く 考えつつ、 この「3年間の日々」を 過ごしてきた のでした。 | |
言っとくけど… 今のところは まだ、 すぐ かなえてほしい 『願いごと』は 無いよ? 今日は、散歩しに来た だけだかんね? | |
この公園に 捨てられた当初は、 いろいろな願いごとや 日々の問題も 抱えていた ネック でしたが… こうやって 公園で、 まさか、この白猫が 「自分たち人間と 同じような 思考能力を持っている」とは 夢にも思わない人間たち が、 自分相手に、 気軽に語ってくる さまざまな 「本心」の 独り言 … それを 聞く日々が、 今の ネック は 結構 気に入って いたのです。 | |
うむ… 実は 近々、 おぬしのところに 『相談』に 行こうと 思っとったんじゃが… どうじゃ? ちょっと 話さんか? | |
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へえ、めずらしいね。 じいさん のほうから、 あたしに「相談」? | |
ネック は、 頭上の木々の中から フワリと下りてくる おじいさん と 話すために、 そばの、 大きめの平たい石の上に 座りました。 石は、 秋の日ざしをうけて、 ほんのりと あったまっています。 ネック と 並んで 石に座った キツネの おじいさん は… しかし、 なにか 悩んでいる ようで、 なかなか 話を 切り出してくれません… その態度に イライラした ネック が、 おじいさん を 叱咤しました。 | |
ちょっと! 「相談がある」とか そっちから 声かけといて、 なに ダンマリ 決めこんでんのよ! | |
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こっちもヒマじゃ ないんだかんね? 用が無いなら、 あたし もう行くよ!! | |
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( さ、さっき 『あんた「も」 ヒマそうだねぇ』 と 言っとったじゃないか、 この子は…?? ) | |
おじいさん は、 ネック に 理不尽に どなられて、 アタフタしてしまいました。 …が、 たしかに このままでは 話が進まないので、 意を決して、 ネック に こんな質問 を したのでした。 |