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…あれ? そう言えば… | |
そのとき 急に、 かみね が ハッとした顔で、 ふきたち の ほうを 振り返りました。 | |
先ほど、ネックさん、 「ものすごく気になること」を おっしゃってましたよね? たしか、 『 生物には、そもそも 「生きる意味」なんて無い 』 …みたいな事を。 | |
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あっ! | |
そうです。 「ネックの 残り寿命が、 もう それほど残っていない」 という、 あまりにショックな告白に、 気が動転してしまって おりましたが… ネック は その前に、 『 私たち生物に、 「生きる意味」なんて無い。 ある意味、 絶対に「ムダ」』 と、たしかに言って おりました。 | |
ど ど ど どういう事、 ネックさん?? 僕らが今まで 話し合ってきた 『生きる意味』は、 全部 まちがってた ってこと?? | |
ふき が、まっ青な顔と、 クラクラする頭で 問うと、 ネック は、 いつもの 凛とした顔つきで、 見つめていた鏡から 振り返りました。 | |
「まちがっている」 わけじゃないんだよ。 ただ… 「ある意味」 ムダで 終わってしまう かもしれない って 事らしいのよ。 | |
ネック にも、 そのあたりは明確には 断言できないようです。 そして 彼女の視線は、 ミューラー のほうに 移っていくのでした。 ふき や かみね も、 それに つられて、 トンビ紳士の顔を見つめます… | |
…分かりました。 それでは 私から お話ししましょう。 | |
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私が キツネの おじいさん から伝えられ、 人間さんたちの さまざまな学問… 特に 『 天文学 』や『 物理学 』 を 調べてみたところ… | |
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どうしても、 1つの『重大な 結論』に 辿りつかざるを 得ませんでした… | |
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「重大な 結論」… というと? | |
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