■ われわれ生物に、
「生きる意味」 など無い?(2/2)







…あれ?

そう言えば…




そのとき急に、

かみね が ハッとした顔で、
ふきたち の ほうを
振り向きました。





先ほど、ネックさん、

ものすごく気になることを
おっしゃってましたよね?


たしか、

『 生物には、そもそも
生きる意味なんて無い 』


みたいな事を…





あっ!





そうです。

ネックの残り寿命が、
もう何日もない」
という、
あまりにショックな事実に、

気が動転してしまって
おりましたが…



ネック は その前に、

『 私たち生物に、
「生きる意味」 なんて無い。

「ある意味」 絶対にムダ 』


と、たしかに言っておりました。





ど ど ど どういう事、
ネックさん??


僕らが今まで話し合ってきた
「生きる意味」 は、

全部まちがってたってこと??





ふき が、まっ青な顔と、
クラクラする頭で 問うと、


ネック は、

いつもの凛とした顔つきで、
鏡から振り返りました。





「まちがっている」
わけじゃないんだよ。


ただ…

「ある意味」 ムダで
終わってしまうかもしれない


って 事らしいのよ。





ネック にも、

そのあたりは明確には
断言できないようです。



そして 彼女の視線は、

ミューラー のほうに
移っていくのでした。



ふきかみね も、
それに つられて、

トンビ紳士の顔を見つめます…





…分かりました。

私から お話ししましょう。





私が キツネの おじいさん
から伝えられ、

人間さんたちの
さまざまな学問、

特に 『 天文学 』『 物理学 』
を 調べてみたところ…


どうしても、

1つの重大な結論

辿りつかざるを
得ませんでした…





「重大な結論」 …

というと?





ミューラー は、

不安げな ふき の 目を
まっすぐに見つめながら、

なにかの判決を
言い渡すような厳格さで、

答えました。





つまり、

人類や、われわれ生物は…

将来 必ず、100%、
滅亡してしまう


という事実です。





そのため、

どんなに 皆が努力して、
自分たちの DNA を
未来に引き継いでいっても、

それは、ある時期に
必ず終わりを迎えてしまう
わけです…



その 「ゴール」 を
ふまえて考えると、

『 今 現在やっている
生存のための努力も、

そもそも最初から、
完全にムダな行為だった 』


という事に
なってしまうのです。





DNA の本目的である、

『 永遠に生き残りたい 』

『 「子孫」 という形で
自分のコピーを未来に残したい 』


という欲求は、
この宇宙においては、

「いつか 絶対に途切れてしまう」 ことが、
すでに 分かってしまっているのです。


これが、一部の者だけが知る、

『 われわれ DNA の 結末 』 です。





    






「 われわれ生物は、
今後 必ず、滅亡してしまう 」


「 したがって、DNA の 努力は、
必ずムダに終わってしまう 」



信じがたい話でしょうが、

残念ながら これは、
現時点では ゆるぎようのない
『 事実 』 なのです。


次章では、その理由を
具体的に ご説明いたします。

つらい内容
なるかもしれませんが、

どうか最後まで
お付き合いください。





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