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第8章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」1』→ 生物滅亡の原因は『戦争』? |
『 人類を含む 全生物は 将来 必ず、100%、 滅亡してしまう 』… ようやく、 「生きる意味」の正体 である 『 生存本能 』を 理解しはじめてきた ふき にとって、 それは、 全てを根底から 引っくり返して、 台無しにしてしまう ような、 わけの分からない話でした。 考えてもみて下さい。 もし 本当に、 「将来 われわれが 滅亡することが 決まってしまっている」 のだとしたら… 今 この瞬間を 精一杯 生きて、 未来に 命(DNA) を つないでいく という、 『 生物の 本目的 』 そのものが、 最初から、 完全な ムダであった という事に なってしまう ではありませんか… | |
( ミューラーさん は、 ちょっと『大げさ』に 表現しているだけ なんじゃないの…?? ) | |
そんなふうに、 トンビ紳士を 疑ってみたくもなる ふき でした。 ただ、 そんな ふき でも、 『 生物滅亡 』という 言葉を聞いたとき、 たしかに いくつか、 「それに つながりそうな要素」 に、心当たりがあります。 漫画 や アニメ・ゲーム、 小説 や 映画… そして この 現実世界 においても、 『人類滅亡』というテーマは、 決して 目新しいものではなく、 むしろ、昔から何度となく 語られてきたもの だからです。 | |
それって、 もしかして… 『 戦争 』… ですか? | |
ふき は、ちょっと ためらいながらも、 ミューラー に たずねてみました。 もし、それが 「正解」だとすると、 言うまでもなく、 『 世界を亡ぼすのは 人間 』 という事に なってしまうからです。 この場に ただ一人の 人間である ふき としては、 これは できれば ふれたくない「解答例」 でした… しかし、そんな ふき の 心配をよそに、 ミューラー は、 「せんそう」…? とだけ答えて、 キョトンとしています。 どうやら、ドンピシャでは 無かったようで、 ふき は、いくぶん ホッとしました。 でも、「戦争」という 言葉を聞いた かみね が、 | |
たしかに、 人間さんたちの起こす 『戦争』は、 怖いものらしいですね… | |
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最近は 『核兵器』というものも あるそうですから、 実際に 戦争が起こったら、 人間さんは もちろん、 他の生物の皆さんにも、 どれだけの被害が 出てしまうでしょう… | |
…と 語ったので、 ふき は、胸が 痛くなったのでした… |
そんな ふき や かみね を 見つめながら、 ミューラー は、 こう 語りました。 | |
もちろん『戦争』は 恐ろしいものです… ただ、人間さんたちが 戦争をするためには、 それなりの「国力」が 必要となってきます。 | |
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たしかに 戦争が起これば、 関連国家に多大な犠牲が 出るでしょうが… それによって 戦争をしている国々が 疲弊 していけば、 そもそも 『 戦争を持続することが できなくなってしまう 』 はずです。 | |
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それは つまり、 『 戦争だけでは、 人間さんたちを含む 生物全てが 滅びる事態 までは、行かない 』 ということなのでは ないでしょうか? | |
ふき は、複雑な思いながら ちょっとだけ ホッとして、 ミューラー の 言葉に うなずきました。 | |
ただ もちろん、 そこで使用される 「兵器の破壊力」が、 『地球上の全生物の 再生能力の限界』を 超えていれば… 『 戦争による 生物滅亡 』 という 最悪の結末も ありえるわけです。 | |
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人間さんたちには、 どうか そんな「悲しい結末」に ならないよう、 世界中の皆さんで、 よく考えていってほしい ものですね。 | |
ミューラー の、 願いの こもった まっすぐな目 に 見つめられて、 ふき は、ドギマギしながら、 何度も一生懸命 うなずいたのでした。 | |
でもさ、 『戦争』じゃない とすると、 何が原因で あたしたちは 滅んじゃう のよ? | |
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ふき、 なんか 他にないの? あたしらを 滅ぼしちゃうような、 『ヤバい原因』の 心当たりは… | |
ネック に たずねられた ふき は、 しばらく腕組みをして 考えこんでいたのですが… 「あっ」と 何かに思い当り、 顔を上げたのでした。 |
『戦争』は、たしかに 恐ろしいものです。 でも、これは まだ、 「人間さんたちの努力で 何とかなる」範囲の驚異 ではないでしょうか? 『滅亡』というものは、 もっと 意外で、 もっと 理不尽な方向から、 やって来るもの なのです… |