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第8章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」1』→ 生物滅亡の原因は『環境破壊』? |
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もしかして、 全生物を滅亡させて しまう 原因って… 『 環境破壊 』?? | |
ふき は、 近年 取りざたされている この問題こそが、 いつの日か訪れる 『 生物滅亡 』の カギなのではないか? と 考えたのです。 | |
たしかに、 人間さんたちの文明が 大きく飛躍した ことで、 「その近隣の環境に、 何らかの変化が 生じてしまう」ケースが、 多々 出てきている ところは ありますね… | |
かみね も、 スマホ(みたいなもの)を ポチポチと さわって、 「環境破壊」 で ネット検索をしてみました。 | |
こんなに色々なものが あるんですね。 工場からの煙や、 燃料油をつかう乗り物で、 空気が汚れてしまったり… 生活で使った お水を 捨てることで、 川や海が汚れたり… | |
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毒物やゴミを 地面に埋めたり 捨てたりすることで、 土そのものが 汚れてしまったり も するようです。 | |
ふき は 話を聞きながら、 「戦争」 の 話のときと同様の、 恥ずかしいような 情けないような気持ちが してきました。 なぜなら この問題も、 自分たち 「人間」が 大きく かかわって しまっているのですから… | |
これらは やはり、 「規模」が 問題だと 思うのです。 昔、人間さんたちが 今ほどの「大社会」を 築いていらっしゃら なかった頃は… | |
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生活から出る汚れは もちろん 0 では ありませんが、 環境への深刻なダメージ… というほどでも なかった はずです。 | |
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人間さんたちって、 文明が発達して、 生活が安定したおかげで、 昔と比べて、 健康で 長生きになって、 数も多くなりました よね。 | |
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でも その一方で、 環境や、他の生物さんたち への影響も、 すごく大きく なってしまって… | |
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やっぱ 多すぎだと 思うんだわ、「人間」。 少し 減らしなさいよ、ふき。 | |
僕に『 通り魔 』に なれとでも…?? ネック の メチャクチャな要求に、 ふき は、驚くやら、 あきれるやら… |
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ただ、そう 考えると、 逆に、『環境破壊』では 生物の滅亡は ありえない… とも 言えるのでは ないでしょうか? | |
ミューラー が、 意外なことを言い出したので、 ふき と かみね は、 恒例のキョトン顔になりました。 | |
「人間さんの数が多い」から、 その生活から生じる汚染が、 大きな破壊力を 持ってしまう のです。 という事は、逆に言えば… | |
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その汚染によって、 「人間さんたち自身」が 病気になったり、 長生きできなく なっていけば、 当然、 『人間さんたちの 総数が 減り』… | |
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そこから生じる 汚染の破壊力も、 小さくなっていく… と 考えられるわけです。 | |
言われてみれば その通りです。 「環境破壊」 の 要因の1つは、 『 人間の数 』 … 環境が破壊されれば、 当然、人間自体にも そのダメージは ふりかかり、 人口が減ってしまうのは 「ごく自然な流れ」 といえるでしょう。 | |
で、でも、 それでも 環境破壊によるダメージは 「他の生物」にも ふりかかる んでしょう? だったら、 それが原因で 生態系が壊れて、 全生物が滅亡する 可能性だって… | |
ミューラー は うなずきつつ、 しかし 直後に、 首を横にも振りました。 | |
その通りです。 たとえば 『水』が 汚れれば、 「それを口にする 全ての生物」、 そこに住む「水生生物」、 「植物」など、 驚くほど広範囲の動植物が ダメージを受けて しまいます。 | |
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『空気』も 同様です。 「呼吸によって生命活動を 維持している動植物」は、 軒並みダメージを 受けてしまうでしょう。 | |
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しかし、 本当に 一番大きな ダメージを受けるのは、 他ならない 『 人間さんたち そのもの 』 なのです。 | |
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ええっ!! | |
「他の 動植物」への ダメージばかり 心配していた ふき は、 ミューラー の 言葉に 仰天しました。 | |
なぜなら、 人間さんたちは この地球上において、 『ほとんど頂点』と 言えるほどの 「高度な進化」をとげている 生物ですが… | |
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それは 同時に、 『 環境の変化に対して、 柔軟性が ほとんど無い生物 』 とも 言えるからです。 | |
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環境の変化に、 柔軟性が ほとんど無い…?? | |
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聞いた話に よりますと、 生物というものは、 『 構造が単純であるほど、 何らかの環境変化が 生じたときに、 世代交代をしていく中で、 適応できるスピードが速い 』 そうです。 | |
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逆に、 『 高度で複雑な 構造を持つ生物ほど、 簡単には 体が変化できず、 適応に長い期間を 要してしまう 』 のだとか… | |
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環境破壊で 一番「絶滅しやすい」のは、 実は、それを生み出して しまっている 「人間さんたち自身」… ということですか。 | |
ふき は またも、 ちょっと ホッとしたような、 しかし 複雑な気持ちに 包まれたのでした。 |