■ 滅亡の原因は、『パンデミック』?(1/7)





そういえば ふきくん は、

「人間が、他の生物を
亡ぼしてしまう」

といった可能性を、

かなり心配されて
いるようですね?




ミューラー
そうたずねられ、

ふき は 寂しそうに
答えました。




うん…

だって、今の人間の力は
強力すぎるもの…

人間は、他の生物を
殺せるけど、

他の生物は、
人間を殺せない
よね?




人間である僕としては、
「殺される危険が無い」 から
安心ではあるけど…

ときどき
「これでいいのかな…」って
怖くなることがあるんだ。


地球のすべての生物の
生き死にを、

僕ら人間だけが
握ってしまっている

ような気がして…




ふき の 懸念に、

ミューラー は 静かに深く
うなずきつつも、

こんなことを
言い出したのです。




それは 一理ありますね…

ただ、ふきくん。

『 他の生物が、人間を殺せない 』
というのは、

「違う」 のでは
ないでしょうか?





「え!?」




と キョトン顔になった
ふき でしたが…


すぐに思い当たって、
こう訂正しました。




あ。 も、もちろん、
人間が他の生物に勝てるのは、

「武器を持ってたり、
集団行動ができる」

からですよ?

1対1だったら、
難しいですよね。

たとえば、ライオンやゾウと
本気で戦ったら、

絶対に人間のほうが
殺されちゃう
と思うし…




ふき は そう言いながら、

ネック のほうを
チラ見 しました。



こんなに小さな猫ですら、

ふき を 絶叫させるような
「するどい爪」
持っているのです。


人間より大きいライオンが、
本気で その巨大な爪やキバで
襲いかかってきたら、

ふき のような普通の人間など、

アッというまに
八つ裂きにされてしまう

ことでしょう…

  



また、ゾウやサイなどの
大きく重い動物の
突進を食らったら、

人間の体は、
自動車に はねられたように
軽々とフッ飛ばされ
て、

大ケガを負うか、
即死してしまうはずです。




人間が彼らに勝てるのは、
決して 身体能力が
優れているから
ではなく、

遠くから狙い撃ちできる
銃のような 『 道具 』 や、

彼らを捉えるための
『 ワナ 』 を作る技術、

彼らをダマせる 『 知能 』

そして 必要に応じて、
『 集団行動 』 をとって
協力し合うことを知っている
からにすぎません。



ところが ミューラーは、

そんな ふき の 訂正に、
首を横に ふったのでした。

  






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