サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』→
第8章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」1』→ 月夜の ネック |
ふき は、 夜中に ポッカリと 目をさましました。 寝る前に飲んだ ジュースのせいか、 トイレに行きたくなった のです。 枕元の時計を見ると、 午前2時 すぎ… 暗くて よく分かりませんが、 ミューラーたちも 眠っているようで、 部屋の中に、 いくつかの寝息が 聞こえています。 ふき は、それらを 起こさないように、 そっと 静かに、 部屋を出ました… トイレで 用を足し、 ホッとして 部屋に戻ろうとした ふき でしたが… そのとき、 何気なく 覗きこんだ リビング に、 ボンヤリ白い かたまり があることに気づいて、 ギョッ! と 立ちつくしました。 | |
( ゆ ゆ ゆ 幽霊っ!?? ) | |
…と、一瞬 凍りついたものの、 よくよく 目をこらしてみると、 「白い かたまり」の正体は、 白猫 ネックさん… ガラス戸から流れこむ 月の光 に 照らされた彼女は、 月夜の白雲のように、 しっとりと 輝いておりました。 | |
もー… こんな時刻に 何やってんすか? ネックさん… | |
まだ少し 心臓を ドキドキさせたまま、 ふき は ネック のほうに 歩いていきました。 | |
うん… 月を、ちょっとね… | |
リビングの ガラス戸の 向こうでは、 青白い満月 が、 静かで 涼しげな 光をともして、 夜の空に浮かんでいます。 窓の外に広がる 夜の街も、 月の光に 包まれて、 まるで、 海の中で眠っている かのようです。 | |
| |
夜行性でもある ネックさんたち「猫」は、 こんな不思議な風景を 身近に感じながら 生きているんだなぁ… と 思うと、 ちょっと うらやましく も思える ふき でした。 |